研究課題/領域番号 |
12J01352
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物性Ⅱ(磁性・金属・低温)(理論)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
吉田 恒也 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | トポロジカル絶縁体 / モット絶縁体 / 電子相関効果 / 動的平均場理論 |
研究概要 |
トポロジカル絶縁体は多くの場合電子間相互作用が重要でない系においてその発現が確認されているが、近年、イリジウム酸化物等の5d遷移金属化合物等においてもその発現が期待され、トポロジカル絶縁体における電子相関効果の解明は現在の凝縮系物理の重要な課題の一つとなっている。そのような系では電子相関効果と電子状態のトポロジカルな性質が融合し従来のトポロジカル絶縁体にはなかった性質を示すことが期待される。その例の一つがPr2Ir207等において発現が期待されるトポロジカルモット絶縁相である。そこでは一電子励起の代わりにスピン励起がギャップレスの端状態を担う。しかし、このような新規な相は平均場でのみ確認されており、より厳密な解析においてはその発現を支持する結果は得られていない。本研究では密度行列繰り込み郡法を用い一次元において上述のトポロジカル相が発現しうることを初めて示し、そこでは隠れた対称性である斯波変換に対する対称性が本質的な役割を果たしていることを明らかにした。さらに、自由電子系のトポロジカル絶縁体では電子状態のトポロジーが変化するトポロジカル相転移点においてはbulkで一電子励起ギャップがゼロになることが要請されるが、相互作用に誘起されるトポロジカル相転移においては一電子ギャップがゼロとならない非従来型のトポロジカル相転移が起きることを指摘し、エンタングルメントスペクトルの考察から、少なくとも一つの集団励起スペクトルがbulkでgaplessになることを見出した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
上述のように、本研究では一次元のトポロジカル絶縁体における強相関効果を信頼性の高い解析手法を用いて解析した。その結果、従来は一鱈子スペクトルにおいてのみ興味が持たれていたが、集団励起スペクトルが系のトポロジカルな性質を反映し、新奇な振舞いをすることが明らかとなった。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では素あ持つ対称性がもたらすトポロジカル相について解析を行った。しかし、トポロジカルに非自明な相はそれだけではなく、トポロジカルに秩序した相も存在し今後そのような系の解析に取り組む予定である。
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