配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2014年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2012年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究概要 |
前年度は, 加速度センサや地磁気センサの計測値と, 近隣端末間の近距離無線通信のログをもとに, スマートフォンユーザ間の位置関係を推定する手法を提案した. この手法では, 環境内のすべての人物が端末を保持している環境を想定しているが, 一般に, 地下街等の公共空間においては, センサ情報を収集可能な端末を保持していない人物が一定の割合で存在すると考えるのが自然である, そこで, 本年度は, 一部の群衆が保持するモバイル端末から収集したセンサ情報をもとに, 歩行者群の密度を推定する手法の研究に取り組んだ. 提案手法では, 歩行者群のモバイル端末に搭載された加速度センサおよびマイクを用いて, 端末保持者の歩行動作および周囲の雑踏音をセンシングし, 端末上でリアルタイムに周辺の混雑状況の推定を行う, それらの結果を端末の位置情報とともにサーバ上へ集約することで, 環境内の各地点における歩行者群の密度や振る舞いの把握を実現している. この手法と前述の位置推定手法とを組み合わせることで, 端末保持率が低い環境においても, 周辺の歩行者流との位置関係の認識が可能となる. また, 群衆が保持するモバイル端末からセンサ情報を効率的に収集するための通信プロトコルについても研究を行っている. 前年度に設計したアーキテクチャでは, 空間内のすべての端末が, Wi-Fi基地局等を介してサーバと直接通信を行うことを想定しているが, 各基地局に接続可能な端末数には限りがあるため, 端末の密度が高い環境においては, データ収集の遅延時間が大きくなる場合がある. これに対し, 提案手法では, 近距離無線通信を併用して近隣のモバイル端末間でセンサ情報をローカルに共有・集約することで, スケーラビリティの向上を実現している. このように, 本年度は, ヒューマンセントリック位置推定手法の実環境への適用性の向上に取り組むとともに, 実機実験等を通じて, その有用性を明らかにした.
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