研究課題/領域番号 |
12J01654
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
伊敷 吾郎 京都大学, 理学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2014
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2012年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 行列模型 / 弦理論 |
研究概要 |
平成24年度は近年注目を集めている局所化という方法を用いて、行列模型の分配関数の計算を行った。当初は数値的な計算を行う予定であったが、この方法を適用すれば、あるクラスの物理量を解析的に、且つ非摂動的に計算することが出来る。本研究では弦理論を記述すると予想されている行列模型や、場の理論の次元簡約によって得られる行列模型に対して、この局所化の方法を適用することで、理論の分配関数やある演算子の期待値を計算した。 その結果、私は以下の結果を得た。まず、場の理論から次元簡約で得られる行列模型の分配関数や期待値が、large-N極限においては元の場の理論のものと等しくなることを示した。これはよく知られているlarge-N reductionとよばれる現象であり、私の結果はそれを非摂動的に示した例を与えている。また、弦理論と関係する行列模型においては、弦理論にあらわれるD-braneやNS5-braneといった物体を記述する極限が存在することを、局所化の結果を用いて証明した。これは行列模型が弦理論を確かに記述していることの強い証拠を与えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初の計画とは異なり、数値的アプローチでなく、解析的なアプローチに変更を行った。これにより計算可能な物理量のクラスは限られたが、数値のエラーや符号問題等に悩まされることなく計算が可能であった。これらのことから、本研究はおおむね順調に進展していると言える。
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今後の研究の推進方策 |
私は京都大学基礎物理学研究所の特任助教として、平成25年4月1日から採用されました。それに伴い、平成24年3月31日付で学振の特別研究員を辞退しており、本研究課題は24年度が最終年度となります。
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