研究課題/領域番号 |
12J01681
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
岡田 崇 京都大学, 基礎物理学研究所, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 超弦理論 / T-fold / planq-wave行列模型 / localization / 行列模型 / 局所化 |
研究概要 |
本年度は、1ane-wave行列模型に対して、近年注目を集めている経路積分のlocalizationと呼ばれる手法を用いることで、plane-wave行列模型の物理量を厳密に計算し、M理論や超弦理論の物理をplane-wave行列模型から厳密に解析した。このような非摂動的な厳密計算は、plane-wave行列模型がM理論を記述する極限はplane-wave行列模型の強結合極限であり、このような非摂動的な厳密計算は、M理論への極限を調べる上で重要な意義がある。 得られた結果を具体的に述べると、まずplane-wave行列模型の分配関数および超対称性を保つある演算子の期待値を厳密に得ることに成功した。そして、plane-wave行列模型から得られたその結果を用いて、1+2次元の超対称Yang-Mills理論、1+3次元の超対称Yang-Mills理論の分配関数、NS5ブレーン上の理論の物理量を得ることにも成功した。なお、本研究は京都大学の伊敷吾郎氏、浅野侑磨氏、島崎信二氏らとの共同研究である。 別の研究として、T-foldと呼ばれる超弦理論に現れる非幾何学的な時空の研究について取り組んだ。T-foldでは、異なるパッチをつなぎ合わせる際に、単なる座標変換ではなくより一般化された変換を許すが、このことに関連して、T-foldではパッチとパッチの間に「ブレーン電荷」が存在すると解釈することも可能であることがわかった。このような新しい見方はT-foldやU-toldの性質の解明に有用である。なお、本研究は酒谷雄峰氏(京都産業大学)との共同研究に基づく。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
今年度の研究で行った行列模型の非摂動的な厳密計算は、超弦理論の定量的な理解を与えてくれるという点で大きな意義がある。また、T-foldの研究も非幾何学的時空の理解へ向けて有用であると期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
超弦理論で現れる非幾何学的な背景の理解は、これまでのところの研究は古典的かつ低エネルギー極限の記述に限られているという点で不十分である。その問題を解決する第一歩として、非幾何学的な背景における弦の作用(この候補としては通常の南部-後藤作用を拡張させたものが考えられる)の完成を目指す。
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