研究課題
特別研究員奨励費
本研究の目的は、球状トカマク(ST)の核融合発電炉としての再評価である。1990年代に提案されたこれまでのST炉(ARIES-ST、STPP)は、先進的なSTの特徴を最大限活用した概念となっており、極めて挑戦的な炉工学(常電導トロイダル磁場コイル、センターソレノイドコイル無し、高中性子壁負荷)を用いた実現性の乏しい設計となっている。そこで本研究では先進的なSTプラズマと既存のトカマク炉設計の炉工学を用い、一区切りした大型ST実験を踏まえた現実的なST炉の再評価を行った。新たに導出したブートストラップ電流割合モデルを用いて、システムコードによる全ての超電導ST核融合炉が包括されるような広範囲スキャンを行った。実現可能なトカマク核融合炉の制約条件を①発電炉プラズマ制約、②ブランケット制約、③ベータ限界制約、④閉じ込め達成制約、⑤ダイバータ熱負荷制約、として設定し、コストモデルを用いて発電コストを概算した。そこからブレークイーブン価格条件に加えてセクター引き抜き保守とトロイダルリップル計算を行うことで、最適な0Dシステム設計を導出した。0Dシステム設計を元に、自己無撞着な自由境界MHD平衡の計算を行い、MHD安定性解析(バルーニングモード、キンクモード)から、プラズマの崩壊につながるような不安定性の回避が可能であることを確認した。さらに、プラズマランプアップシナリオを検討した。本研究の成果をまとめると、①新しい超電導球状トカマク核融合発電炉概念の提案、②球状トカマク炉設計のための物理・工学モデル、実験データベースの整理、③一般的なトカマク炉設計に適用可能な最適設計点決定アルゴリズムの提案、④球状トカマク炉のMHD平衡、非誘導ランプアップシナリオの設計・検討、⑤球状トカマク炉に向けたCS-free立ち上げシナリオ、合体立ち上げ実験、となる。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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