研究課題
特別研究員奨励費
本研究では複数のCYP誘導剤をラットに同時投与することにより、誘発される肝発がんプロモーション作用に対してどのような修飾作用が発現するかについて分子病理学的に解析する。平成24年度に続いて以下に示す実験を行った。Piperonyl butoxide (PBO)とPhenobarbital (PB)の併用投与実験平成24年度に行ったOrphenadrineとPBの併用投与(CYP2B誘導剤同士の併用投与実験)の結果が肝発がんプロモーション作用の増強であったことを踏まえ、CYPIA誘導剤であるPBOとCYP2B誘導剤であるPBの併用投与実験を、ラット肝二段階発がんモデルを用いて行った。その結果、肝前がん病変のマーカーであるGST・P陽性肝細胞巣の個数、CyplalのmRNA発現及びマイクロソームROS産生能が併用投与により有意に減少した。よって、PBOとPBの併用投与では肝発がんプロモーション作用は抑制されている可能性が示唆され、その機序にはCYPIA誘導擁制によるROS産生の低下が関与しているものと推察された。平成24~25年度に行った実験結果より、inducerCYP2B同士の併用投与では肝発がんプロモーション併用が相乗的に増強し、CYPIA/2B inducerとCYP2B inducerの併用投与では抑制されため、誘導するCYPの組合せによって併用投与で影響が異なること明らかとなった。また、併用投与によるCYP誘導への影響が肝発がんプロモーション作用修飾に関与していることが考えられる。
1: 当初の計画以上に進展している
3年で行う予定であった実験およびその解析、発表を終えることができた。
(抄録なし)
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The Journal of Toxicological Sciences
巻: 38(3) ページ: 415-424
巻: 38(5) ページ: 679-688
巻: (In press)