研究課題/領域番号 |
12J02285
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
東洋史
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
野崎 くるみ 筑波大学, 大学院人文社会科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 嘉慶年間 / 九世ダライラマ / 清朝―チベット関係 / 「29条章程」 / ダライラマ九世 / 清朝 / チベット / カシャク政府 / 二十九条章程 |
研究概要 |
本年度は、2013年4月1日から8月28日、および2014年3月3日から3月31日まで中国チベット自治区ラサ市に滞在し、ラサ市内の清朝関連施設・寺院や碑文のフィールド調査を行うとともに、西蔵大学でチベット語史料の翻訳・分析を行ってきた。また、2013年8月21日から27日に、モンゴル共和国・ウランバートル市で開催されたthe 13^<th> Seminar of the International Association for Tibetan Studiesに参加し、近年のチベット学の動向について見識を深めるとともに、自身も英語の発表を行い、現在の研究について国際的に活躍する第一線の研究者たちから、様々な批判やアドバイスを得ることができた。 本年度の具体的研究成果は以下のものである。まず、嘉慶年間初期の九世ダライラマ選定問題に着目し、乾隆年間に制定された「29条章程」がどの程度実効性を持っていたのかを検討した。その結果、「29条章程」の形式的順守の意向は、清朝とカシャク政府双方に確認されたものの、実態としてはチベット社会の実情に合致させた政策をとるため、「29条章程」を極めて恣意的に解釈し、本来の章程制定の意図を清朝皇帝や現地役人の暗黙の了承のもと黙殺していたことを明らかにした。この内容を"The Qing policy on Tibet in the case of the selection of 9^<th> Dalai Lama."として、the 13^<th> Seminar of the International Association for Tibetan Studiesで発表した。更にチベットでのフィールドワークの成果として、清朝の政策がチベット社会の構成員の各層にどのように受け入れられたかを、ラサとシガツェの関帝廟の変遷や清朝が建てた碑文の扱われ方などから分析した。その結果、従来の清朝とカシャク政府ではない、清朝とチベット社会との関係から、清朝―チベット関係を検討するという視点を得た。この成果は、学内の検討会ですでに発表しており、近日中に論文として発表する予定である。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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