研究課題
特別研究員奨励費
本研究では、渦輪の衝突によって粒状体表面上に形成される衝突痕の形成機構解明を目的としている。現在までの研究により、衝突痕は粒状体表面に衝突した渦輪(一次渦輪)と境界面上に発生した渦輪(二次渦輪)によって形成されていることが解明され,また、渦輪のレイノルズ数(慣性力/粘性力)が衝突痕形成の有無や衝突痕の形状に影響を及ぼしていることが確認された。このような渦輪のレイノルズ数や衝突前後の渦輪の変形過程と衝突痕断面形状との関連性の解明のため、渦が発生させる粘性応力によって粒状体が動かされることを仮定した二次元渦対モデルによる数値解析を行った結果、実験結果と同様の傾向が見られた。昨年度までの研究においては、渦輪の半径はほぼ一定であり、渦輪の運動速度を変化させることによってレイノルズ数を変化させていたため、衝突痕形成の有無や形成過程、衝突痕の形状がレイノルズ数のみによって決定されるか否かについては不明確な点が残されていた。そこで、本年度の研究においては、同一レイノルズ数で半径の異なる渦輪を使用することで、衝突痕形成の有無や形成過程がレイノルズ数のみによって決定されるか否かについて確認することを目的とした。本年度の研究の結果、渦輪半径によって無次元化した渦輪の軌跡は渦輪の半径によらずほぼ同様であり、また、衝突痕の形成の有無も半径によらずレイノルズ数約3000が臨界値となることが確認された。一方、衝突痕の掘削深さは、渦輪半径が異なる場合極めて大きな差が生じた。渦輪の軌跡及び粒状体表面に発生する粘性応力に着目した考察を行った結果、同一レイノルズ数の場合、粒状体表面に発生する応力は渦輪半径の二乗に反比例して減少するという結果を考えられ、このため、同一レイノルズ数の場合、半径の大きい渦輪の場合ほど粒状体表面上の応力が減少し、掘削深さが減少していると推測される。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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