研究課題/領域番号 |
12J02469
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
森林科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
松林 順 京都大学, 生態学研究センター, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2012-04-01 – 2015-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2014年度)
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配分額 *注記 |
2,700千円 (直接経費: 2,700千円)
2014年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 安定同位体 / ヒグマ / サケ / 混合モデル / GIS / 空間解析 / 開発 / 安定同位体食性分析 / Mixing Model / イオウ安定同位体 / 生態系間相互作用 / モデリング |
研究実績の概要 |
平成25年度までの研究成果から、炭素・窒素・イオウ安定同位体比と同位体混合モデルを用いた解析により、ヒグマのサケ利用割合を個体ごとに正確に推定する手法を構築した。この手法を用いて知床半島内で1996年以降に捕殺されたヒグマ188個体のサケ利用割合をそれぞれ推定した。 続いて、各個体の捕獲地点からサケ遡上河川までのコスト距離を高速で計算するプログラムを、統計ソフトRを用いて作成した。コスト距離とは、土地被覆上を通過するときに一定の通過コストを想定した場合における、出発地点から目的地点までの最短コストを意味する。 次に、地理情報システム(GIS)を用いて知床半島の植生図などを整理し、対象地域を緯度経度0.001度単位のグリッドに区切り、各セルを森林、河川、農地、道路の4種類に分類した。また、サケの遡上可能な標高(93.4m)などを考慮しつつ、サケの遡上可能域を推定した。これらのデータを基に、ヒグマの行動圏からサケ遡上河川までのコスト距離で、各個体のサケ利用割合を説明するモデルの構築を行った。このモデルでは、同時に各土地被覆の通過コストも推定対象としている。 モデリングの結果、サケ利用割合のばらつきを最も説明する各土地被覆のコスト値(森林:1に対する相対値)が、河川:29.53、農地:2.62、道路:45.97と見積もられた。また、サケ遡上域までのコスト距離の係数は負の値となり、モデルのR二乗値は0.49と高い説明力を示した。 本研究の結果から、ヒグマの生息域からサケ遡上域までのコスト距離が大きいほど、ヒグマはサケを利用しにくくなり、またその間に道路が存在するとヒグマの移動コストが顕著に増加することが示唆された。従って、ヒグマのサケ利用を促進する施策として、森林と河川の間を移動しやすくするコリドーを設置することや、サケの遡上を妨げる河川工作物の改良措置が有効だと考えられる。
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現在までの達成度 (段落) |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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