配分額 *注記 |
3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2014年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2012年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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研究実績の概要 |
一般化推定方程式(GEE)におけるモデル選択規準に関する研究と高次元データにおけるモデル選択規準に関する研究を重点的に進めた. GEEは経時データ解析にしばしば用いられる未知パラメータを推定するための方程式であり, 周辺分布に一般化線形モデル, 個体内相関に作業相関行列を定めることで, 同時分布を仮定することなく一致推定量を構築することができる. GEEにおけるモデル選択としては独立を仮定した擬似尤度を基にしたリスクに対する推定量としてQICが導出されており, 実データ解析にしばしば用いられている. 本研究では, 多変量擬似尤度における経路依存性に着目し, QICでのリスクの妥当性を与え, さらにQICの導出で無視されている項の適切な評価を求めることで, 修正版QICを導出した. さらに, この規準量が相関パラメータの推定を考慮しても漸近不偏であることを示した. また, 作業相関行列の選択に着目し, Steinのロス関数を基にした真の相関行列に対し一致性を持つ規準量を提案した. 作業相関行列を選択するための規準量はこれまでにいくつか提案されているが, 一致性を持つ規準量を理論的に提案したのは本研究が初めてであると考えられる. 一方で, 高次元データに対しては, 多変量線形回帰モデルにおいて真の平均構造に一致性を持つ選択規準を, また, ランダム効果を持つ成長曲線モデルにおいて真の共分散構造に一致性を持つ選択規準をそれぞれ提案した. これらの研究成果は, 国内外の学会・シンポジウム等で発表済みである.
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