研究課題/領域番号 |
12J02617
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
解剖学一般(含組織学・発生学)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
加治 いずみ 北海道大学, 大学院医学研究科, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2013年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
2012年度: 1,100千円 (直接経費: 1,100千円)
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キーワード | 短鎖脂肪酸受容体 / 短鎖脂肪酸 / FFA2 / FFA3 / 腸内分泌細胞 |
研究概要 |
短鎖脂肪酸受容体の発現は、腸内分泌細胞、免疫細胞、脂肪組織における発現が報告されていたが、神経系における発現については詳細な検討がなされていない。昨年度、受入れ研究室で作製した抗FFA3抗体を用いた免疫染色によって、FFA3が腸管各部位の粘膜固有層における神経線維上および、粘膜下・筋層間神経叢に発現していることが見出された。二重染色法によりFFA3の陽性反応は神経細胞の指標であるPGP9.5と重なり、グリア細胞の指標であるS-100とは重ならなかったことから、末梢の神経線維にFFA3が発現していると考えられる。外来性神経の寄与を検討するため、受入れ研究室と同講座(解剖発生学分野)の今野博士の指導のもと、逆行性神経トレーサーの一つである蛍光標識コレラトキシンBを近位結腸または十二指腸に投与したところ、迷走神経下神経節および延髄背側運動核でトレーサーが検出された。下神経節におけるほとんど全ての神経細胞がFFA3陽性反応を示した一方、背側運動核では一部のトレーサー陽性神経細胞がFFA3の免疫組織化学反応と重なった。また、背側運動核に細胞体を持つ神経を取り囲む神経終末に強いFFA3の免疫反応が検出された。以上の結果から、遠心性および求心性とも、腸管に分布する迷走神経の節前線維がFFA3を発現している可能性が見出された。 短鎖脂肪酸は速やかにTCA回路に取り込まれるエネルギー源である一方、口腔や腸粘膜に常在する細菌の主要代謝産物でもあり、生体内の様々な細胞に発現する受容体によって認識され生理的あるいは非生理的応答を誘発する。本研究では、これまで知られていなかった、腸管機能を支配する神経細胞での短鎖脂肪酸受容体発現が見出された。これにより、神経系を介する新たな短鎖脂肪酸の機能が示唆される。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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