研究課題/領域番号 |
12J02801
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
進化生物学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
和田 慎一郎 東北大学, 東北アジア研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2012年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | 種分化 / 陸産貝類 / 海洋島 / 交雑帯 |
研究概要 |
本研究の目的は、小笠原諸島の石門地域内で多様な殻形態を示す微小陸貝を対象として、その形態分化のメカニズムの解明を試みることである。その解決手法として、対象種群の生息環境などの生態的な基礎データの蓄積をはじめ、遺伝的集団構造解析や交配実験など幅広く取り組んできた。しかし記録的な干ばつなどの不測の事態に見舞われ、十分なサンプルが得ることが出来ず、残念ながら交配実験については十分な成果が得られなかった。基礎データについては1年目に引き続き2年目となる今年度も調査をおこない収集した。また、1年目に手法を確立した主成分分析による殻の形態的特徴の定量化およびミトコンドリアDNAと核DNAを用いた分子系統推定をおこなうことで、小笠原諸島に生息する対象陸貝を含むキビオカチグサ近縁種群がおおよそ300万年におよんで殻形態の保守性を示してきた一方で、石門地域内でのみ最近になって急速な変化を遂げていることが明らかとなった。このような対照的な進化過程が同系統・小範囲内で観察できる例は非常に稀であり、適応放散などにみられる多様化メカニズム解明のための優れたモデル系となりうることが改めて示された。この成果は論文としてまとめられ、2013年発行のMolecular Ecology誌にて公表された。現在石門地域内の集団について、1年目に開発したマイクロサテライトマーカーを用いた遺伝的集団構造の解析を進めている最中である。以上のように、当初の予定からすると若干の遅れはあったものの本研究は着実に成果を挙げており、今後もさらなる発展を遂げることが期待できる。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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