研究課題
特別研究員奨励費
現在までに数多くのバイオ燃料電池が報告されているものの、その実用化にはさらなる出力の増大が必要である。ほとんどのバイオ燃料電池の出力は燃料の物質拡散に支配されているため、高濃度で燃料を供給する方法論を確立すれば、電池出力の増大につながると考えられる。そこで本申請研究では、高濃度の燃料供給を期待して、ガス状エタノールを燃料として利用することを提案した。まず、ガス状エタノール駆動型バイオ燃料電池の作製に先立ち、常温よりも高い温度域で駆動するバイオ燃料電池の作製を検討した。これまでの研究で作製した、耐熱性アルコール脱水素酵素を固定した電極をアノードとし、カソード触媒には酸素の4電子還元反応を触媒するビリルビン酸化酵素を用いた。50℃における電池出力は、常温の場合の1.5倍まで向上した。続いて、電極基板としてガス透過性の高いカーボンファイバーペーパーを用いて酵素電極を作製し、この酵素電極にガス状エタノールを供給する電気化学セルの設計を行った。酵素電極は一方の面を気相、もう一方の面を液相(電解質溶液)に接するように配置した。電解質溶液は、ガラスファイバーフィルターに浸潤させて、酵素電極と接触させる構造とすることによって、セルからの液漏れを防ぐことが可能であった。気相側からガス状エタノールを供給し、サイクリックボルタンメトリー測定を行った。その結果、エタノール供給時のみ触媒酸化電流が観測することができた。したがって、ガス状エタノールで駆動するバイオアノードを構築することに成功した。
(抄録なし)
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Electroanalysis
巻: 26(印刷中)
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