研究課題/領域番号 |
12J02997
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
光岡 寿郎 早稲田大学, 教育・総合科学学術院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2014
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2012年度)
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配分額 *注記 |
900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | スクリーン / メディア / 物質性 / 空間 / 都市 / 展示 |
研究概要 |
当研究は、「メディア/モノの集積」としての展示空間という性質を強く帯びる現代社会において、都市を理解すうえでの新たな理論的枠組みの構築を目指すものである。当初の研究計画に沿って、初年度である平成24年度は文献資料に基づく理論研究、およびアメリカ合衆国のニューヨークでのフィールドワークを実施した。 まず前者に関しては、英語圏では近年その成果が徐々に明らかになりつつある「メディアと空間」を対象とした理論研究一代表的なものとして、Shaumn Moores(2012)Media, Place and Mobility-を幅広く検討したほか、ドイツを中心としたもう一つの「モノとしてのメディア」を対象とした理論枠組みであるメディア考古学一具体的には、Jussi Parikka(2012)What is Media Archaeologyなど-の妥当性もまた検討の対象とした。 また平成24年11月に実施したニューヨークでのフィールドワークにおいては、以下の二点に注目して調査をすすめた。一つは、MoMA、メトロポリタン美術館といった従来からの代表的な都市の展示空間におけるメディアによる構造化の進行。とりわけ、ミュージアムにおけるモバイル・メディアの利用が、来館者の空間の経験に与える影響に注目した。また二点目に、ニューヨークという都市そのものの展示空間化,商業的な中心地であるタイムズ・スクエアはその表面積の50%以上がスクリーン化されており、これは小型のスクリーンがインターネット接続された東京での展示空間化の進行とは異なる性質を持っている。 これらの初年度の基礎的な研究成果は、具体的には平成25年度に論文として発表する予定であるが、その研究過程での中間的な成果は、平成24年度の社会情報学会において「複合メディア環境におけるスクリーンの遍在一『メディアコンプレックス』とメディア考古学の視点から」というタイトルで既に発表している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
基本的には予定通りに進んでいるが、年度内に文献研究の成果を学術論文としてまとめることが出来なかったのが上記評価の理由である。従来からこの領域は社会学と視覚文化論が交差する研究領域であり、資料収集と同時にその擦り合わせの作業に当初の予定に比して時間がかかったのが要因である。
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今後の研究の推進方策 |
平成25年度より大学の教員として奉職し、特別研究員の資格を失ったため特段記載事項はないが、平成24年度の成果を論文としてまとめることに引き続き尽力する予定である。
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