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物体を選択し、注意を向け、記憶することにおける前頭前野の役割

研究課題

研究課題/領域番号 12J03190
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 神経・筋肉生理学
研究機関北海道大学

研究代表者

松嶋 藻乃  北海道大学, 医学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2012 – 2013
研究課題ステータス 採択後辞退 (2012年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2012年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード実行機能
研究概要

本研究では、前頭前野が実行機能に必要な、どのような情報を保持しているか調べるとともに、同部位の神経活動と行動との因果性を明らかにすることを試みた。
まず、複数の動く物体のうち1つだけを内的に追跡する課題(内的追跡課題)遂行中の前頭前野における単一ニューロン活動を記録したところ、約7割のニューロンは標的刺激の位置によって活動を変化させ多野に対し、約2割のニューロンは妨害刺激の位置によって活動を変化させた.さらに興味深いことに,標的刺激と色の違う第二の妨害刺激を同時に提示したところ,いずれのタイプのニューロンもこれに応答しなかった.このことから,これらのニューロンのもつ信号は,外見では見分けられない物体を内的に区別するために有用であり,一見して異なる物体を区別することには有用ではないと考えられる.
さらに、このようなニューロン活動が、物体選択に因果性を持つかを調べるため、内的追跡課題遂行中の前頭前野に電気刺激を行った.そうしたところ、視覚刺激の動き始めに電気刺激を与えた時にのみ、最終的に選択する視覚刺激の位置を変えることができた.
これらの成果によって、前頭前野による空間的注意のトップダウン制御として、妨害刺激をモニターするための神経機構があることを世界で初めて見出すとともに、自由意思による視覚対象物の選択を微小電気刺激によって人為的に操作できることを示した。これらの知見は、前頭連合野の新たな機能を明らにし、現在の注意理論の一部に再考を迫るものである。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

前頭前野によって担われるトップダウン制御信号として、今までの先行研究では直接その存在が証明できなかったものを、明示的に証明できたこと。また、それらの成果を踏まえ、さらに発展させるために、次のプロジェクトにも着手できているため。

今後の研究の推進方策

順調に進行できているため、動物の健康等に配慮しつつ、着実に研究を進める。

報告書

(1件)
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (3件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Retrospective and prospective information coding by different neurons in the prefrontal cortex.2013

    • 著者名/発表者名
      Matsushima A and Tanaka M
    • 雑誌名

      Neuro Report

      巻: 24 号: 2 ページ: 73-78

    • DOI

      10.1097/wnr.0b013e32835c8d66

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Manipulation of object choice by electrical microstimulation in macaque frontal eye fields2013

    • 著者名/発表者名
      Matsushima A and Tanaka M
    • 雑誌名

      Cerebral Cortex

      巻: published online 号: 6 ページ: 1493-1501

    • DOI

      10.1093/cercor/bht009

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Neuronal correlates of multiple top-down signals during covert tracking of moving objects in macaque prefrontal cortex.2012

    • 著者名/発表者名
      Matsushima A and Tanaka M
    • 雑誌名

      Journal of Cognitive Neuroscience

      巻: 24 号: 10 ページ: 2043-2056

    • DOI

      10.1162/jocn_a_00265

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Neuronal correlates of working memory for multiple locations. (複数の場所を記憶するための神経機構)2012

    • 著者名/発表者名
      Matsushima A. and Tanaka M
    • 学会等名
      日本神経科学学会
    • 発表場所
      名古屋国際会議場(名古屋)
    • 年月日
      2012-09-18
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 記憶すべき複数位置の相対位置により異なる二つの符号化2012

    • 著者名/発表者名
      松嶋 藻乃, 田中 真樹
    • 学会等名
      日本生理学会 北海道地方会
    • 発表場所
      北海道大学(札幌)
    • 年月日
      2012-09-01
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 複数の刺激位置を記憶するための神経機構2012

    • 著者名/発表者名
      松嶋 藻乃, 田中 真樹
    • 学会等名
      包括型脳科学推進支援ネットワーク 夏のワークショップ
    • 発表場所
      仙台国際センター(仙台)
    • 年月日
      2012-07-26
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [図書] 空間的注意 (脳科学辞典、オンライン辞典)2012

    • 著者名/発表者名
      松嶋 藻乃, 田中 真樹
    • 総ページ数
      1
    • 出版者
      理化学研究所脳科学総合研究センター
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書

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公開日: 2013-04-25   更新日: 2024-03-26  

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