1.extremeブラックホールの不安定性 Extremeブラックホールは、しばしば量子重力の理解に重要な役割を果たす。例えば、あるextremeブラックホールは超弦理論に埋め込むことが出来るので、そのブラックホールエントロピーの微視的理解に成功している。最近の研究により、Kerrブラックホールを含む幾つかのextremeブラックホールは不安定になることが分かってきた。この不安定性の理解は、一般相対論的に興味があるだけではなく、量子重力の理解につながる可能性もある。私は、先行研究を拡張し、extremeブラックホールが不安定性になる一般条件を見出した。その結果を用いて、高次元の回転ブラックホールがextreme極限で不安定になることを示した。また、ある超対称ブラックホールに関しても不安定性を発見した。この結果は、量子重力理論の理解の助けになることが期待される。 2.non-uniform black stringの安定性と不安定性 non-uniform black stringの安定性を局所ペンローズ不等式の方法で調べた。この解は、13次元以下では常に不安定であると考えられていたが、我々は12次元と13次元の場合に限り、安定な相が存在することを発見した。 3.near horizon geometryの不安定性 偶数次元の回転ブラックホールのホライズン近傍の摂動を調べ、そこに不安定性があることを発見した。この結果は、このブラックホールが大きい角運動量を持った時に不安定性が存在することを示唆している。
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