研究課題/領域番号 |
12J03265
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
福田 聖子 名古屋大学, 国際開発研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | マラウイ / 換金作物 / 果樹栽培 / 改良品種の導入 / 食糧安全保障 / 温帯果樹 / 非政府組織(NGO) / 国際アグロフォレストリーセンター(ICRAF) / 熱帯高地 |
研究概要 |
(意義)国際社会の目標である「飢餓半減」「生物多様性の保全」というマクロな視野に立ち, わが国とアフリカ諸国との間に介在する国際開発に関する諸問題の解決に向けて, アフリカの農村開発における事例を通して, ミクロな視点から分析を行う. (重要性)今後の国際開発分野における新たな研究手法の開発としても本研究の成果が期待される. (研究の目的)広義には近年国際的な注目を集めているアフリカの農村開発における果樹栽培の位置づけを明らかにすることである. (具体的な内容) 果樹を地域資源として活用しているマラウイ南部州の低地におけるカンキツ類栽培を中心に, 高地における温帯果樹栽培の台木利用を調査事例として取り上げた. 南部アフリカに位置するマラウイでは, 政府が新たな換金作物として果樹栽培に注目してきた. 改良品種の導入に伴い, 技術移転等の支援を受けて農村地域で果樹栽培が推進された. 改良品種の導入は, 農業研究機関・普及所によって積極的に実施され, 先駆的農家は大規模な果樹栽培および苗木生産を実践している. 本研究では, マラウイ南部州でカンキツ類「既存品種」のタンジェリンの栽培を継続する農家と中部高地のモモとリンゴ「既存品種」に注目した. 国際的には改良品種の導入・栽培が主流である中, 「既存品種」の果実販売・流通に加え, 台木として活用した改良品種を導入によって, 苗木生産を行う先進的な果樹農家や農民組織現地NGOやICRAFの活動事例に焦点を当て現地調査を行った. 現地調査では, 社会学の手法(エピソード・インタビュー)に基づく聞き取り中心の調査を行い, 研究成果として投稿論文を執筆した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
マラウイにおける前年度の長期現地調査(2回 : 計5か月間)に基づき, 査読付きの論文3本(和文 : 2本, 英文 : 1本)を投稿し, 国内外の学会に参加し, 研究成果を報告(国内 : 2回, 海外 : 1回)した。また, 学会等では学術的なネットワークを構築し, 他分野の研究者とも積極的に情報・意見交換を行い, 研究活動に熱心に取り組んだため, 期待以上の研究の進展があった。 国内では, 5月「日本アフリカ学会」, 9月「農業経営学会」において, 海外では9月下旬にガーナで研究成果をそれぞれ発表した。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画書の時点では, 「在来果樹」・「在来品種」・「在来種」という単語を用いていたが, 学会発表や研究・調査を進めていく上で, 不適切であることが判明したため, 以後, 「既存品種」という単語に統一した。また, 計画当初はマラウイ高地における温帯果樹の栽培適性を農学(果樹園芸学)の手法に基づく実験(糖度計等の実験器具やデータロガーを用いた気温変化のデータおよび降水量のデータ等)で評価する予定であったが, 現地の気象条件および時間的な制限により, 本研究における評価は断念せざるを得なかった。 今後の予定としては, 博士学位論文の修正を中心に, 現地本調査に基づく学会発表および投稿論文(「開発学研究」「日本熱帯農業研究」へ投稿予定)を執筆予定である。
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