研究概要 |
タッチパネルは, スマートフォンやPMPといった携帯端末, タブレットPC等の様々なデバイスに搭載されており, 我々の生活になくてはならない入力インタフェースとして位置付けられている. タッチパネルの市場は年々飛躍的な成長をみせており, 今後も継続して需要は増加していくことが予想され, 関連技術の研究開発などが盛んに行われている. しかし, ユーザインタフェースとしてのタッチパネルについて, その操作性に関する課題も指摘されている. 具体的には, 搭載デバイス別の市場で高いシェアを占める携帯端末において, ある拡がりをもった指先の接触面で操作するが故に自身の意図した位置をポインティングすることが困難であり, ミスタップが頻発する問題が依然として存在している. 本年度は, 上述した携帯端末における操作性上の課題に対して, GUIの設計指針に供する操作特性の基礎的知見を得ることを目指し, 操作方法がポインティング特性に及ぼす影響を明らかにすることを目的として実験を行った. 実験では, 携帯端末の操作方法に着目し, 片手操作と両手操作の双方におけるポインティング位置の分布, ポインティング精度, ポインティング時間の各指標を計測した. その結果, 操作方法がポインティング特性に及ぼす影響を明らかにすることができた. さらに, 実験で得られたポインティング位置の分布が楕円で近似的に表されることを示し, 楕円によるタッチ感知領域の設計手法について基礎的な検討を行った. その結果, 楕円のタッチ感知領域では, 特定の方向にポインティング位置の分布が偏るような特徴をもつターゲットに対して, 市販品で一般的に使用される正方形による設計手法よりも効率的にタッチ感知領域を設計できる可能性が示唆された.
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