研究課題/領域番号 |
12J03465
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
刑事法学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
水野 陽一 広島大学, 大学院社会科学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2012 – 2013
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
|
キーワード | 被害者 / 刑事訴訟 / 法的地位 / 公正な裁判 / 無罪推定原則 / 被害者保護 / 刑事訴訟の目的 / 損害回復 / 被害者弁護 / 弁護人依頼権 |
研究概要 |
わが国において、被害者参加制度の導入以後、犯罪被害者に対して訴訟参加者としての地位が認められることになった。被害者保護の重要性について疑いはないが、一方で無罪推定原則が妥当するはずの刑事訴訟において、なぜ「被害者」という存在が観念されうるのか、といった問題もっとに提起されている。公判における被害者参加が、被告人の防御権に対して大きな影響を与えうるのだということを考慮に入れた上で、我々は刑事訴訟における被害者保護の充実を図ると同時に、それによって被告人の防御権が侵害されないように十分な配慮を図る必要がある。 被害者には、本来犯人に対して刑罰の賦課を求めることが許されるものである。しかしながら、現行の刑事訴訟制度において、被害者に対して認められる権利は、公益の範囲内に限定されるものであるといえる。すなわち、被害者には公益を損なわない範囲で適正な刑罰権の執行を求めることが許されるものであるといえるが、当該権利が被害者の恣意的な意思に基づいて行使されることは許されない。 また、刑事訴訟の目的は、現行制度において適正な刑罰権の執行であるとされるべきであり、現状において、刑事訴訟における被害者に対して行われるべきは、その損害回復に重点を置いた施策であるように思われる。この点について、ニュージーランドにおける修復的司法制度の議論に関わる研究が有益なものであり、被害者の損害回復にとって社会共同体の果たすべき役割が重要なものであり、被害者保護に関して、刑事訴訟外における制度的充実を図ることが重要であることを明らかにした。以上の成果を基礎として、来年度以降刑事訴訟における被害者の法的地位についての研究を更に深化させていく所存である。
|
今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
|