研究課題
特別研究員奨励費
平成25年度は前年度にポリ塩化ビフェニル(PCB)のファイトモニタリングにおける効果を見いだした同族体高蓄積植物種であるセイタカアワダチソウ由来の糖脂質画分の有効成分を同定することを中心に研究を実施した。モルモットのアリルハイドロカーボン受容体(gAhR)に由来する組換え型gAhRを介したβ・グルクロニダーゼ(GUS)レポーター遺伝子発現系を導入した組換え体シロイヌナズナ植物を用いたPCB同族体のファイトモニタリングにおいて、セイタカアワダチソウから抽出した総脂質を分画し、その添加効果を検討した。その結果、糖脂質画分の添加によりPCB126によって誘導されるGUS活性を増加させることを見いだした。その有効成分の単離・同定を行うため、糖脂質画分を異なる組成の移動層のシリカゲルカラムクロマトグラフィーでさらに分画し、TLC分析の移動度とGCIMSによる組成分析を行い、その結果から各画分の構成成分を同定した。その中の有効性を示した画分に含まれていた構成成分のうちでステリルグルコシド・モノガラクトシルジアシルグリセロールおよびジガラクトシルジアシルグリセロールに有意な添加効果が認められた。この効果は植物種の差による構造の違いによって差が認められた。これらのことから、セイタカアワダチソウのPCB同族体取り込み機構に糖脂質が関与しており、植物種による脂肪酸組成の違いがPCB同族体の取り込み性能に関与する可能性が考えられた。
(抄録なし)
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Science of the Total Environment
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