研究課題/領域番号 |
12J03557
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
融合社会脳科学
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
山田 絵美 九州大学, 医学研究院, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2012 – 2013
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 顔認知 / 脳磁図 / 事象関連電位 / M170 / 顔 / 認知 / N170 |
研究概要 |
本研究の目的は、顔認知による種の同定過程の時空間パターンを事象関連電位(ERP)及び脳磁図(MEG)を用いて検討することである。本年度は、脳磁図(MEG)による検討を中心に行った。 前年度のERP実験の結果に基づきMEGの実験を15名の健常成人を対象として実施した。MEGの実験では、正立顔と倒立顔に対する顔の同定課題(刺激の顔をヒトかサルか2肢強制選択で判断しボタンを押す)を行った。刺激は、ヒト、ヒト(50%)とサル(50%)の中間顔、サルの3種を用いた。 行動指標であるボタン押しの反応時間はERPと同様の傾向を示し、中間顔に対して反応時間が延長していた。MEGの活動は、ERPにおいて顔特異的な成分とされるN170と同様の成分とみなされているMEGのNl170を指標として解析した。M170のピークの潜時を算用した。M170の潜時は、N170と同様の傾向を示し、倒立顔に対して潜時が延長し、サルの顔に対して潜時が廷長した。また顔に特異的に反応をするとされる右紡婦状回の活性をM170のピーク時間帯で最小ノルム法(MNE)を用いて解析した。ヒトの顔では倒立顔の方が正立顔より活性範囲が拡がっていたが、サルの顔では正立顔、倒立顔で活性範囲に違いはなかった。本年度の研究から、MEGでもヒトの顔とサルの顔に対する脳反応の違いを示すことができた。また、ERPでは明らかにすることができない脳活性部位の違いを最小ノルム方を用いることで明らかにした。 MEGの結果は、2013年11月の第43回日本臨床神経生理学会でM170の潜時、活動量解析結果についてポスタ発表を行い、その後この結果に最小ノルム法の解折知見を追加して2014年3月の30th International Congress of Clinical Neurophysiology (ICCN) of the IFCNで発表した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
事象関連電位の実験結果を論文としてをとめ、投稿中である。また、脳磁図による実験は解析中で終了し論文としてまとめる段階である。MEGにおいても、ヒトの顔とサルの顔の違いを明らかにすることができた。平成25年度の目標は慨ね達成できたと思われる。
|
今後の研究の推進方策 |
脳磁図の解祈を進める。現在は、顔に特異的に反応するとされる右の紡錘状回を中心に解析を行っているため、後頭部及び側頭部に対しても解析範囲を拡げ、紡錘状回以外の部位の活動状況を検討する予定である。
|