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24S-hydroxycholesterolによる神経細胞障害メカニズムの解析

研究課題

研究課題/領域番号 12J03567
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 細胞生物学
研究機関同志社大学

研究代表者

山中 一哲  同志社大学, 生命医科学研究科, 特別研究員(PD)

研究期間 (年度) 2012 – 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2012年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
キーワード24S-OHC / Necroptosis / Caspase-8 / Lipid droplet / ACAT / エステル化 / 脂肪酸 / RIP1のリン酸化
研究概要

以前の研究から, 神経細胞のモデルであるSH-SY5Y細胞やラット胎仔脳由来初代神経細胞において24S-hydroxycholesterol (24S-OHC)がNecroptosisを誘導し, ヒト白血病Tリンパ腫であるJurkat細胞においてはアポトーシスを誘導することが明らかになっている. これはアポトーシスとNecroptosisとのスイッチングにおいて重要なCaspase-8の発現量が, SH-SY5Y細胞や初代神経細胞において著しく低いためであると考えられた. Caspse-8の活性と24S-OHC誘導性細胞死の細胞死形態との関連を検討するため, 全Caspase阻害剤であるZVADやCaspase-8を機能欠損させたJurkat細胞であるI9.2細胞を用いて解析を行った. その結果, SH-SY5Y細胞と同様にNecroptosisが誘導されることが明らかとなり, 24S-OHC誘導性細胞死の細胞死形態の決定にはCaspase-8が重要であることが明らかとなった. また, SH-SY5Y細胞およびJurkat細胞において, 24S-OHCのエステル化およびそのエステル体の蓄積が細胞死に重要であることがACAT阻害剤を用いた研究から明らかになっている. そこで, エステル体形成に重要な脂肪酸について, さらなる解明を試みた. HPLCを用いて24S-OHC処理細胞特異的なピークを分取しGC-MSを用いて解析を行ったところ, 複数種類の24S-OHCのエステル体が存在することが示唆された. そこで, 24S-OHCとさまざまな脂肪酸を同時に添加し, 細胞死に対する影響を検討した. その結果, 不飽和脂肪酸が細胞死を増強する傾向にあることが示唆された. さらにPhospholipase A2の阻害剤によっても24S-OHC誘導性細胞死が増強されることが示唆された. ACAT1によるエステル化が誘導する細胞死は24S-OHCに特異的であるか確認するため, 種々のコレステロール酸化物に関して, 24S-OHCと同様の解析を行った. その結果, Necroptosisの誘導やLipid droplet様の構造物の形成, ACAT1阻害剤による細胞死の抑制, エステル体の蓄積は, 他のコレステロール酸化物では認められず, 24S-OHCに特異的であることが明らかとなった.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

阻害剤や機能欠損の細胞株を用いた実験から, 24S-OHC誘導性細胞死の経路の中にアポトーシスとNecroptosisの分岐が含まれており, さらにそのスイッチングにはCaspase-8が重要であることが明らかとなった. また, 複数種類の細胞で検討した結果, 細胞死の初期段階で認められる24S-OHCのエステル体の蓄積は共通の現象であり, 24S-OHC誘導性細胞死に深く関与していることが明らかとなった. さらに脂肪酸の組成も細胞死に影響することが示された. これらの結果から, 本年度の研究はおおむね順調に進展したと判断した.

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

報告書

(2件)
  • 2013 実績報告書
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2014 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (1件) 図書 (1件) 産業財産権 (1件)

  • [雑誌論文] Induction of apoptosis and necroptosis by 24 (S)-hydroxycholesterol is dependent on activity of acyl-CoA : cholesterol acyltransferase1.2014

    • 著者名/発表者名
      K Yamanaka, Y Urano, W Takebe, Y Saito, N Noguchi
    • 雑誌名

      Cell Death and Disease

      巻: Vol. 5 号: 1 ページ: e990-e990

    • DOI

      10.1038/cddis.2013.524

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] A novel fluorescent probe with high sensitivity and selective detection of lipid hydroperoxides in cells.2012

    • 著者名/発表者名
      K Yamanaka. Y Saito, J Sakiyama, Y Ohuchi, F Oseto, N Noguchi
    • 雑誌名

      RSC Advances

      巻: Vol. 2 号: 20 ページ: 7894-7900

    • DOI

      10.1039/c2ra20816d

    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 24S-hydroxycholesterol誘導性細胞死"Necroptosis"における脂質代謝異常2012

    • 著者名/発表者名
      山中一哲、浦野泰臣、斎藤芳郎、野口範子
    • 学会等名
      第85回日本生化学会大会
    • 発表場所
      福岡国際会議場(福岡県)
    • 年月日
      2012-12-16
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [図書] ビタミンE研究の進歩X『24S-OHC誘導性細胞死に対するビタミンE類の添加効果』2012

    • 著者名/発表者名
      ビタミンE研究会編
    • 出版者
      ビタミンE研究会
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [産業財産権] 細胞死抑制剤2012

    • 発明者名
      浦野泰臣、野口範子、斎藤芳郎、山中一哲
    • 権利者名
      同支社大学
    • 産業財産権番号
      2012-242950
    • 出願年月日
      2012-11-02
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書

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公開日: 2013-04-25   更新日: 2024-03-26  

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