研究課題/領域番号 |
12J03676
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(実験)
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
永井 雄也 名古屋大学, 理学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 太陽中性子 / 宇宙線 |
研究概要 |
・シエラネグラ山頂での新型太陽中性子望遠鏡(SciCRT)の観測 昨年、メキシコ国立天文光学電気研究所(INAOE)にてsciCRTの観測を行った。2014年4月に装置は山頂へ輸送された、私はメキシコメンバー及び名古屋大学のメンバーと装置のセットアップ行った。プログラマブルICによるトリガー生成ロジックの作成、各光電子増倍管に対する印加電圧値の設定、連続データ取得システムの構築、データ取得状況の自動確認プログラムの作成は私が主体となって行った。装置は一応の連続観測を開始したが、電力供給や排熱などに問題があった。その後それらの点に対する改良が加えられ、より安定してデータを取得できる環境が整ってきた。 ・中性子望遠鏡のデータ解析 昨年に引き続き、2010年以降の、X線でM2以上のクラスのフレアでの太陽中性子望遠鏡の信号を調べた。のべ302イベントに対し、226イベントの解析を行ったが、特に有意な信号は見られなかった。また、統計的な解析を行った結果、フレア時刻における太陽中性子望遠鏡の計数はバックグラウンドに対して有意な差がないことが分かった。 ・中性子望遠鏡のバックグラウンドの考察 INAOEで取得したSciCRTの観測データとモンテカルロ計算の比較を行った。これにより、モンテカルロ計算の妥当性旨及び取得データが正常かを調べた。データとモンテカルロの計数率はそれぞれ409.3(±0.1)と395.2(±4.8)となり、近い値が得られた。また、装置最下層のシンチレータバー10本以上で軌跡を捉えたイベントをシャワーイベントとして解析した結果、データとモンテカルロ双方で明らかに2種類の異なったパターンがあり、それぞれ電磁成分とハドロン成分に起因することが分かった。それぞれを電磁シャワー、ハドロンシャワーとし、分類を行った。その結果、データとモンテカルロはよく一致した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
望遠鏡の観測一を無事開始し、問題点も徐々に解決しつつありより安定した観測ができるようになってきている。太陽活動の活性化が不十分であるため、想定していたよりも大規模フレアが発生していない。そのため太陽中性子イベントはまだ観測できていないが、前周期で多くのイベントが観測された極大期以降を迎える今後の観測での検出が期待される。
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今後の研究の推進方策 |
当初考えられていたよりも太陽活動がが不発であり、太陽中性子放出の期待も弱まりつつある。そのため、中性子が観測されなかった太陽フレアに関しても解析を進め、放射量の上限値を決定する研究も行う。
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