研究課題/領域番号 |
12J03684
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
認知科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今野 晃嗣 京都大学, 野生動物研究センター, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2013年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2012年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
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キーワード | イヌ / 行動 / 犬種差 / 遺伝子多型 |
研究概要 |
申請者の研究課題「イヌ属における遺伝情報を利用した行動評価系の確立」は、イヌを主な対象として、その行動や認知特性の遺伝的基盤を明らかにすることを目的とする。今年度は、研究I「イエイヌの行動評価系の開発」において、犬種により異なる社会行動にどのような遺伝的背景があるかを推定するため、昨年度に引き続き、イヌが人に対して示す視線コミュニケーション行動を調べた。具体的には視線追従課題を実施し、ヒトの視線シグナルに対する応答性がオオカミとの遺伝的類似性と関与していることを明らかにした。また、共同研究として携わったイヌとヒトの行動同調(あくびの伝染)に関わる実験成果については学術論文として発表された。一方、研究II「イエイヌの行動特性の遺伝的基盤の解明」では、イヌの行動の個体差を支える遺伝基盤を同定するため、麻薬探知犬の行動と遺伝子の解析を行うことで、遺伝情報と行動表現型の両者のデータの蓄積を進めた。麻薬探知犬では、昨年度に引き続きアンドロゲン受容体遺伝子(AR)など神経やホルモン伝達に関与する遺伝子領域のタイピングを進めた。これに加え、オキシトシン受容体遺伝子(OTR)とオキシトシン遺伝子(OT)の一塩基多型を新たな標的遺伝子として加え、各個体の遺伝子型と行動特性との関連解析を進めた。さらに、新たに研究III「イヌ属の機能遺伝子の行動生態学的意義の解明」を推進するため、比較ゲノム科学的観点から、オオカミやリカオンを含むイエイヌ以外のイヌ科の野生動物のDNA試料を収集し、行動に関連する遺伝子配列の種差を調べるための研究基盤を整備した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度は、飼育家庭での訪問調査や訓練施設との共同研究など、イヌの行動と遺伝子のデータベースを構築するための研究体制を整備した。これにより得られた学術成果は国内外の学会で発表されただけでなく、学術雑誌上での論文化が成し遂げられたことから、研究は順調に進展したと考えられる。
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今後の研究の推進方策 |
イヌの行動と遺伝情報をさらに蓄積することにより本研究を発展させる。将来、イエイヌ以外のイヌ科動物にも対象を拡大し、イヌ属の行動とゲノムのデータベースの充実を図ることが求められる。得られた学術的成果は国内外の学会で発表するとともに学術誌での論文化を進める。
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