研究課題/領域番号 |
12J04463
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
電力工学・電力変換・電気機器
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
山下 大樹 早稲田大学, 環境エネルギー研究科, 特別研究員PD
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
2013年度: 800千円 (直接経費: 800千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 電力システム / スマートコミュニティ / ダイナミックプライシング / デマンドレスポンス / 最適運用計画 / コージェネレーション / 電気自動車(EV) / 発電機運用計画 / 風力発電 |
研究概要 |
自然エネルギー電源の大量導入や特定供給に係る電気事業制度の見直しなど、電気事業をめぐる環境が大きな変革期に突入していることや、防災面を考慮し分散型電源を持つ集合住宅やコミュニティの導入が進んでいるという背景を踏まえて、スマートコミュニティの最適運用計画という見地に立ち本年度は下記2テーマに取り組んだ。 ①ダイナミックプライシングによるデマンドレスポンスを利用したコミュニティの最適運用計画 スマートコミュニティの運用者として特定供給事業者が、自身が管理するコミュニティ内において動的価格制度(ダイナミックプライシング)を用いてエネルギーマネジメントを行う最適運用手法の開発を行った。コミュニティ内の電力価格を時間帯によって動的に変化させることで、需要家のデマンドレスポンスを誘導し、コミュニティ全体の利益(welfare)を最大化するという最適運用手法をシミュレーションモデルに適用した結果、電力需要のピークカットやピークシフト、ボトムアップを実現することができ、電力需要家及びコミュニティの運用者双方が効果を得られるということを示すことができた。 ②スマートコミュニティにおける防災性を考慮したコージェネレーションシステムの最適運用計画小規模集合住宅において防災性を考慮し発電設備などを導入する際に、発電機を非常用電源としてのみ用いるのではなく、平常時においても経済性及び環境性を実現した運用に活用するための最適運用計画手法の開発を行った。本研究で開発した手法は24時間先及び30分先の熱需要、電力需要の予測を行うと共に、貯熱タンク内の状況を把握し、それらから得られる情報により適宜システム全体の運用を調整することで適切な運用を実現するものである。本研究で開発した手法を実在する集合住宅に適用した場合のシミュレーションを行ったところ従来型の集合住宅に比べ20%程度の経済性及び環境性向上効果があることを示すことができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
当初の計画通り、昨年度作成した発電機運用計画手法などを拡張し実在する集合住宅やコミュニティを踏まえたモデルに適用することができた。また、計画策定時には考慮していなかった熱電併給システムにも提案手法を改良し適用することができ、一定の成果を得ることができたため「①当初の計画以上に進展している。」と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
デマンドレスポンスやダイナミックプライシングを用いたコミュニティの運用手法を提案したが、実際の需要家の価格弾力性を分析したわけではなく、他の実証研究から推定した値を用いているため、今後は実測を含めた需要家の動向の分析を行いたい。また、集合住宅向けのコージェネレーションシステムの最適運用計画手法を開発したが、これを実際の集合住宅に適用することで提案手法を普及させるための課題を洗い出す必要がある。今後の研究ではこれらを念頭に、スマートコミュニティの設計(設備計画問題)及び、実際の適用に伴う課題を実測を通して明らかにし、事業性も含めた検討を行う予定である。
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