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新規動物モデルによる血小板産生機構の解明

研究課題

研究課題/領域番号 12J04479
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 細胞生物学
研究機関早稲田大学

研究代表者

谷崎 祐太  早稲田大学, 理工学研究科, 特別研究員DC2

研究期間 (年度) 2012 – 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードトロンボポエチン / アフリカツメガエル / 造血幹細胞 / 細胞移植 / 栓球 / 血小板 / 巨核球 / トロンビン
研究概要

アフリカツメガエルTPO (xlTPO)は巨核球への分化誘導, 血小板に相当する有核栓球の産生に関与するほか多能性前駆細胞の維持といった広範囲な分化過程において重要な機能を担う。本研究ではin vivoにおける培養栓球前駆細胞の動態を明らかにすることを目的とした。xlTPO含有培地で肝臓細胞を培養すると5ヶ月以上xlTPO単独で栓球系以外の細胞にも分化可能な多能性前駆細胞が維持された。本細胞が移植可能な未分化細胞であると推測し, アフリカツメガエル移植実験系の構築を試みた。まず, アフリカツメガエルは同一系統の数が限られているため, 同一個体内での移植系の構築を目指した。アフリカツメガエル肝左葉の摘出を行った後, 24日間xlTPO存在下で培養を行った。その後, 細胞をPKH26でラベルし, 肝臓を摘出したツメガエルに心投与した。細胞移植して30日後に複数臓器にてPKH26陽性細胞をフローサイトメトリー法により検出した結果, 細胞は肝臓と脾臓に生着していることが分かった。さらに生着した細胞はマウス造血幹細胞と同様にFSC_<low>, SSC_<low>の特徴を示したことから, xltPO単独で長期維持された細胞が造血幹細胞に類似する性質をもつことが明らかとなった。TPOが単独で多能性前駆細胞の長期維持に関与することは, ほ乳類では見られることなく, c-Mplを介した新たなシグナルを解析するのに有用なモデルとなり得ると考えられる。また, 本研究によりアフリカツメガエルにおける軟組織での造血様式の一端が明らかとなったため, 骨髄ではなく, 軟組織における造血微小環境の解析を進める基盤が整えられた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

栓球前駆細胞の生体内挙動を追う過程で, 想定していたものよりも未熟な細胞を得ることが出来た。このため, 血小板の産生機構の解析を行う上で, 単に細胞の最終分化の解析に留まらず, 長期的な細胞挙動の解析が可能となった。

今後の研究の推進方策

既存の細胞ラベル方法では長期的な細胞追跡が困難である。全血球に蛍光ラベルされている遺伝子改変個体はツメガエルでは作出されておらず, 新規の遺伝子改変ツメガエルの作出が求められる。しかし, ツメガエルは成体になるまでに時間を要することから, トランスポゾンであるTol2を用いた細胞遺伝子ラベル技術の確立を行うこととする。今後は, 本手法によりラベルされた細胞を用いて, 長期的な細胞追跡解析を可能とさせる。

報告書

(2件)
  • 2013 実績報告書
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果

    (17件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (15件) 図書 (1件)

  • [雑誌論文] Significant modulation of the hepatic proteome induced by exposure to low temperature in Xenopus laevis.2013

    • 著者名/発表者名
      Kazumichi Nagasawa, Yuta Tanizaki, Takehito Okui, Atsuko Watarai, Shinobu Ueda, Takashi Kato.
    • 雑誌名

      Biology Open

      巻: 2 号: 10 ページ: 1057-1069

    • DOI

      10.1242/bio.20136106

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] Autologous transplantation of thrombopoietin derived-hepatic hematopoietic progenitor cells in Xenapus laevis2013

    • 著者名/発表者名
      Yuta Tanizaki, Ken Yasukawa, Takato Otani, Yoko Mochizuki, Kosuke Takeshima and Takashi Kato
    • 学会等名
      55th Annual Meeting of the American Society of Hematology (ASH)
    • 発表場所
      New Orleans
    • 年月日
      2013-12-08
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] トロンボポエチン中和抗体投与栓球減少モデルアフリカツメガエルにおける栓球造血の解析2013

    • 著者名/発表者名
      安川賢, 谷崎祐太, 野村一騎, 大谷崇仁, 望月瑤子, 加藤尚志
    • 学会等名
      第75回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      ロイトン札幌
    • 年月日
      2013-10-13
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 低温で誘導される末梢栓球減少症アフリカツメガエルモデルにおける栓球膜糖鎖構造の解析2013

    • 著者名/発表者名
      柏瀬奈央, 谷崎祐太, 前川峻, 加藤尚志
    • 学会等名
      第75回日本血液学会学術集会
    • 発表場所
      ロイトン札幌
    • 年月日
      2013-10-11
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 造血をツメガエルから府瞰する : 血球はどこからやってくるのか?2013

    • 著者名/発表者名
      加藤尚志, 谷崎祐太, 前川峻
    • 学会等名
      日本動物学会第84回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2013-09-28
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] アフリカツメガエル肝臓及び脾臓における栓球系細胞産生能の差異2013

    • 著者名/発表者名
      大谷崇仁, 谷崎祐太, 安川賢, 望月瑤子, 加藤尚志
    • 学会等名
      日本動物学会第84回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2013-09-26
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] トロンボポエチン依存性に増殖・分化するアフリカツメガエル肝臓細胞の特徴2013

    • 著者名/発表者名
      望月瑤子, 一杉芽美, 谷崎祐太, 安川賢, 柏瀬奈央, 大谷崇仁, 加藤尚志
    • 学会等名
      日本動物学会第84回大会
    • 発表場所
      岡山大学
    • 年月日
      2013-09-26
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] アフリカツメガエル造血におけるTPO-c-Mplシステム2013

    • 著者名/発表者名
      谷崎祐太・安川賢・望月瑤子・大谷崇仁・一杉芽美・加藤尚志
    • 学会等名
      第7回ツメガエル研究集会
    • 発表場所
      秋吉台国際芸術村
    • 年月日
      2013-09-24
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] アフリカツメガエルの赤血球膜蛋白質群の同定2013

    • 著者名/発表者名
      竹島功将, 永澤和道, 谷崎祐太, 渡会敦子, 加藤尚志
    • 学会等名
      第86回日本生化学会大会
    • 発表場所
      パシフイコ横浜
    • 年月日
      2013-09-12
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] UT-7/TPO細胞株の核多倍体化に関与するmicro RNAの同定2013

    • 著者名/発表者名
      谷崎祐太, 小坂展慶, 落谷孝広, 加藤尚志
    • 学会等名
      産学連携的白血病診断研修会
    • 発表場所
      順天堂大学
    • 年月日
      2013-04-20
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] ツメガエルトロンボポエチンのポリクローナル抗体の作出および免疫に伴うニュージーランドシロウサギの血小板数変動の解析2013

    • 著者名/発表者名
      野村一騎, 永澤和道, 安川賢, 一杉芽美, 谷崎祐太, 加藤尚志, 多ヶ谷卓爾
    • 学会等名
      日本動物学会 第65回 関東支部大会
    • 発表場所
      東京工業大学
    • 年月日
      2013-03-16
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] ツメガエル有核栓球造血におけるTPO-c-Mplシステム2013

    • 著者名/発表者名
      谷崎祐太, 加藤尚志
    • 学会等名
      XCIJ-MA 研究集会
    • 発表場所
      理化学研究所
    • 年月日
      2013-03-10
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] トロンボポエチン単独添加で長期維持培養される栓球前駆細胞の特性2012

    • 著者名/発表者名
      谷崎祐太, 一杉芽美, 目黒-石川瑞枝, 安川賢, 加藤尚志
    • 学会等名
      日本血液学会
    • 発表場所
      京都国際会館
    • 年月日
      2012-10-20
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] 低温曝露によるアフリカツメガエル末梢栓球数減少における栓球膜糖鎖の変動2012

    • 著者名/発表者名
      柏瀬奈央, 谷崎祐太, 永澤和道, 前川峻, 加藤尚志
    • 学会等名
      日本動物学会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2012-09-15
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] アフリカツメガエル末梢栓球の起源と肝由来培養栓球様細胞の性質2012

    • 著者名/発表者名
      谷崎祐太, 柏瀬奈央, 安川賢, 加藤尚志
    • 学会等名
      日本動物学会
    • 発表場所
      大阪大学
    • 年月日
      2012-09-13
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] Thrombopoietin maintains thrombocytic progenitors in liquid suspension cultures from Xenopus laevis liver or spleen2012

    • 著者名/発表者名
      谷崎祐太, 一杉芽美, 目黒-石川瑞枝, 玉木秀龍, 柏瀬本緒, 安川賢, 加藤尚志
    • 学会等名
      ISEH 41st Annual Scientific Meeting
    • 発表場所
      アムステルダム
    • 年月日
      2012-08-24
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [図書] トロンボポエチン受容体作動薬のすべて2012

    • 著者名/発表者名
      谷崎祐太, 加藤尚志
    • 総ページ数
      116
    • 出版者
      先端医学社
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書

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公開日: 2013-04-25   更新日: 2024-03-26  

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