研究課題/領域番号 |
12J04647
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
生物生産化学・生物有機化学
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
呉 静 静岡大学, 創造科学技術大学院, 特別研究員(PD)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 発茸ホルモン / LC-MS/MS / strophasterol / chaxine / キノコ / LC-MS^2 / chanxine |
研究概要 |
多くの生物種は、特有のホルモンを有している。しかし、高等菌類であるキノコにおけるホルモンは全く明らかにされていない。本研究では、特に菌糸から子実体を発生させる子実体形成物質(発茸ホルモン)の発見を目指し、以下のような実験を行った。 植物や動物にはステロイドホルモンが存在する。キノコは一般にステロイドを多く産生している。このことから、我々は、キノコにもステロイドホルモンが存在するという仮説をもっている。その候補としてサケツバタケから単離された前例の無いステロイド骨格化合物strophasterol A-Dや茶樹茸から単離されたステロイドchaxine A-Eを考え。 Strophasterol Aの子実体形成誘導活性 : Strophasterol A溶液を、ヤマブシタケ菌糸体が蔓延したポットに注いだところ、2週間後にstrophasterol Aに子実体形成誘導活性が観察された。エノキタケに対して、ペーパーディスク上にのstrophasterol Aを添加したところ、1週間後に菌糸体の成長阻害活性が見られ、3ヶ月後に子実体の形成が確認された。また、ウシグソヒトヨタケに菌糸体の成長阻害活性が確認された。一般に菌糸体の生育環境が悪くなると、悪環境に強い胞子を作るために、子実体が発生する。 LC-MS/MSによるstrophasterol類とchaxine類の検出 : Strophasterol類が子実体誘導活性を示したことから、これらの化合物のホルモンとして可能性が示唆された。もしそうであるのなら、キノコにおいて、これら化合物は普遍的存在であるはずである。そこで、他のキノコ中でのこれらの化合物の存在の有無を検討した。その結果、分類学的には異なった30種のキノコのジクロロメタン可溶部と酢酸エチル可溶部にstrophasterol AとCが、42種のキノコのジクロロメタン可溶部、酢酸エチル可溶部とエタノール可溶部にchaxine B-Eが存在することが明らかになった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
Strophasterol類に子実体形成活性を見出し、これらの化合物がキノコに普遍的に存在する可能性を示した。我々の目的である子実体形成機構の分子レベルでの解明(発茸ホルモンの発見)に一歩近づいたことを意味する。
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今後の研究の推進方策 |
研究を継続し、発茸ホルモンの発見の発見を目指す。
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