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ホソヘリカメムシにおける生体リズムと闘争行動の相互作用に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 12J05168
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 生態・環境
研究機関岡山大学

研究代表者

洲崎 雄  岡山大学, 環境学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2012 – 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
キーワードホソヘリカメムシ / 性選択 / オス間闘争 / メスの配偶者選択 / 日内変動 / 概日リズム / 繁殖行動 / 代替戦術 / オス間競争 / 配偶者選択 / 時計遺伝子 / 直接的利益 / 間接的利益
研究概要

多くの生物の繁殖行動は、時計遺伝子によって生じた概日リズムによる時間制御を受けている。交尾を行うタイミングが慨日リズムに支配されていることが、いくつかの研究で示されているが、交尾に付随して起こるその他の繁殖行動と概日リズムの関係を調べた研究例はない。そこで、本研究では、繁殖行動の慨日変化が報告されているホソヘリカメムシRiptortus pedestrisを用いて、慨日リズムがオス間闘争に与える影響を調査する。24年度では、概日リズムの周期が短い個体と長い個体を選抜した系統を作出し、概日リズムに対する選抜が繁殖行動にどのような影響を与えるかを調べる予定であったが、選抜を行う際に、幼虫の死亡率が高かったため、系統の確立および実験を行うことができなかった。そこで、24年度から25年度にかけて、概日リズム選抜をかけていない個体を用いて、闘争行動の日周変化を調べた。その結果、本種のオス間闘争は明期後半に最もよく観察された。したがって、本種のオスの攻撃行動は、概日リズムの影響を受けていることが示唆された。本研究の結果は、国際誌『Entomological Science』に受理された。
また、本種の性選択について、闘争行動以外にほとんど知見がないため、本種の配偶者選択についても実験を実施した。メスの配偶者選択で支持される形質と、配偶者選択によってメスがどのような利益やコストを受けているかを調査した。半きょうだい解析の結果、オスの魅力度は求愛率、武器形質サイズと正の遺伝相関を持っていた。また、オスの魅力度と求愛率、武器形質サイズは有意な遺伝分散を持っていた。したがって、魅力度の高いオスとの交尾は、メスにとって、繁殖成功度の高い息子を得るという間接的利益があることが判明した。本研究の結果は、国際誌『PLo SONE』に掲載された。
さらに、本種の求愛率と体サイズ、武器サイズの関係を調べたところ、求愛率は体サイズ、武器サイズと負の相関を示していた。これは、闘争能力の低いオスはより求愛行動に投資するという代替繁殖性術を採っている可能性を示唆している。この結果は、国際誌『Entomological Science』に投稿され、改訂後受理という回答を得ている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

系統の選抜には失敗したが、闘争行動に日周性があることを明らかにできた。また、本種のメスの配偶者選択やオスの代替繁殖戦術についても新たな知見を得ることができた。論文も、国際誌に2本受理され、さらにもう1本も改定後の受理という回答を受けている。従って、当年度はおおむね順調に進展したと言える。

今後の研究の推進方策

本種の求愛行動についても、概日リズムの有無を調べる。また、時計遺伝子の下流で概日リズムの発現に関わっている生体アミンが、本種の繁殖高度に与える影響も調べる。さらに、RNA干渉法を用いて時計遺伝子をノックダウンした個体を作出し、闘争行動や求愛行動等の繁殖行動や、生体アミンの発現量のリズムが失われるかどうかを調べる予定である。

報告書

(2件)
  • 2013 実績報告書
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果

    (11件)

すべて 2014 2013 2012 その他

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (8件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Diurnal rhythm of male-male combat behavior in the bean bug Riptortus pedestris (Heteroptera : Alydidae)2014

    • 著者名/発表者名
      Yû Suzaki, Takahisa Miyatake
    • 雑誌名

      Entomological Science

      巻: Volume 17(印刷中) 号: 3 ページ: 0-0

    • DOI

      10.1111/ens.12066

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] Male Courtship Behavior and Weapon Trait as Indicators of Indirect Benefit in the Bean Bug, Riptortus pedestris2013

    • 著者名/発表者名
      Yû Suzaki, Masako Katsuki, Takahisa Miyatake, Yasukazu Okada
    • 雑誌名

      PLoS ONE

      巻: Volume 8 号: 12 ページ: e83278-e83278

    • DOI

      10.1371/journal.pone.0083278

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] ホソヘリカメムシのオス間闘争における時間の影響2014

    • 著者名/発表者名
      洲崎雄, 宮竹貴久
    • 学会等名
      日本生態学会第61回大会
    • 発表場所
      広島国際会議場
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] ホソヘリカメムシにおける交尾前の性選択2014

    • 著者名/発表者名
      洲崎雄, 香月雅子, 宮竹貴久, 岡田泰和, 岡田賢祐
    • 学会等名
      日本応用動物昆蝉会第58回大会
    • 発表場所
      高知大学朝倉キャンンパス
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] ホソヘリカメムシの配偶者選択と適応的利益2013

    • 著者名/発表者名
      洲崎雄, 香月雅子, 宮竹貴久, 岡田泰和, 岡田賢祐
    • 学会等名
      個体群生態学会第29回大会
    • 発表場所
      大阪府立大学中百舌鳥キャンパス
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] ホソヘリカメムシにおけるオスの闘争行動の目内変動2013

    • 著者名/発表者名
      洲崎雄, 宮竹貴久
    • 学会等名
      日本動物行動学会第32回大会
    • 発表場所
      広島大学東広島キャンパス
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] ホソヘリカメムシRiptoitus pedestrisの配偶者選択における適応的意義2013

    • 著者名/発表者名
      洲崎雄・香月雅子・宮竹貴久・岡田泰和・岡田賢祐
    • 学会等名
      第60回日本生態学会大会
    • 発表場所
      グランシップ静岡
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] ホソヘリカメムシの配偶者選択がメスの適応度に与える影響2013

    • 著者名/発表者名
      洲崎雄・香月雅子・宮竹貴久・岡田泰和・岡田賢祐
    • 学会等名
      第57回日本応用動物昆虫学会大会
    • 発表場所
      日本大学生物資源科学部
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] ホソヘリカメムシの配偶者選択とそれに伴うコスト2012

    • 著者名/発表者名
      洲崎雄・香月雅子・宮竹久・岡田泰和・岡田賢祐
    • 学会等名
      第28回個体群生態学会大会
    • 発表場所
      東邦大学習志野キャンパス
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [学会発表] ホソヘリカメムシにおけるメスの交尾前配偶者選択2012

    • 著者名/発表者名
      洲崎雄・香月稚子・宮竹貴久・岡田泰和・岡田賢祐
    • 学会等名
      第31回日本動物行動学会大会
    • 発表場所
      奈良女子大学
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書
  • [備考]

    • URL

      http://www.agr.okayama-u.ac.jp/LAPE/

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書

URL: 

公開日: 2013-04-25   更新日: 2024-03-26  

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