研究課題/領域番号 |
12J05242
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
融合脳計測科学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
石野 誠也 京都大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 順序 / セル・アセンブリ / 海馬 / 前頭連合野 / シータ波 / デルタ波 / ラット |
研究概要 |
本研究の目的は、特定のニューロン集団が機能的に結合し、集団内あるいは集団間で機能的結合を切り替えることによって個々の情報を表現していくというセル・アセンブリ仮説に基づき、順序情報が表現される神経メカニズムを実験的に明らかにすることである。この目的のため、申請者が開発した行動課題を実行中のラットの海馬と前頭連合野から多数ニューロンのスパイク活動とより広い範囲(0.5-3.0mm)のニューロン集団の活動を反映するローカル・フィールド・ポテンシャル(LFP)と呼ばれる局所的な電気活動を同時に記録し、ニューロン同士の同期活動とそれらニューロンが参加する集合的な電気活動の関係を解析することで、順序情報を表現するセル・アセンブリの実態を検出することを目指した。海馬のニューロンの中には系列選択的な活動を示すものが存在し、それらの中には同期して活動するものも存在したことから、セル・アセンブリによる順序情報表現が示唆される。また、海馬と前頭連合野のLFPのオシレーションのコヒーレンスを解析したところ予測可能系列の最初のノーズポーク期間ではデルタ波(1-4Hz)およびシータ波(4-12Hz)のコヒーレンスが予測不可能系列と比べて有意に上昇した。しかし、2番目のノーズポーク期間では条件間で有意な差は見られなかった。この結果から、系列の想起に海馬と前頭連合野の協調的活動が重要であることが示唆される。さらに、海馬のLFPと前頭連合野のスパイク活動の位相関係を解析したところ、海馬のシータ波に前頭連合野のスパイク活動が位相固定される結果を得た。また、デルタ波およびシータ波の振幅を相互相関解析することで機能的結合の方向について検討したところ海馬からPFCへの機能的結合を示唆する結果を得た。これらの結果はまだデータ数が不十分であるため、今後さらにデータを集め、信頼性のある結果としてまとめていく必要がある。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究課題を進展させるためには、難しい行動課題を動物に訓練し、その行動課題遂行中のニューロン活動を記録することが必要である。さらにスパイク活動とLFPを同時に記録し、それらの関係を検討するためには高度な解析技術を必要とする。これまでに行動課題の訓練方法や行動解析法を確立し、行動データを論文にまとめただけでなく、行動中のラットの海馬と前頭連合野からLFPと多数のニューロン活動を同時記録することに挑戦し、着実に成功させてきた。さらにLFPとスパイクの解析方法を積極的に習得し、海馬と前頭連合野の相互作用について一定の成果を示したことはおおむね順調に進展しているといえる。今後は、データ数を増やし、より信頼性のあるデータとして論文にまとめていく必要がある
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今後の研究の推進方策 |
今後は、データ数をさらに増やし、信頼性のある結果としてまとめていく必要がある。また、セル・アセンブリの実態を解明するためには、ニューロン同士の同期活動とLFPのオシレーションとの関係を調べる必要がある。すでに、特定の2通りの刺激系列を10試行ずつ繰り返し行わせたときには海馬のニューロンが系列選択的に活動を持続させ、これら系列選択的なニューロンの中にはニューロン同士が同期して活動するものが存在することを確認している。このようなニューロン同士の同期活動はセル・アセンブリによる情報表現を示唆するものであるが、このようなニューロン同士の同期活動とLFPのオシレーションとの関係を解析していくことで順序情報を表現するセル・アセンブリの実態を詳しく検討していくことが可能であると考える。
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