研究課題/領域番号 |
12J05339
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
哲学・倫理学
|
研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
北村 直彰 慶應義塾大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)
|
研究期間 (年度) |
2012 – 2013
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 現代形而上学 / カテゴリー論 / 基礎づけ / 形而上学的説明 / Truthmaker / 分析形而上学 / 存在論 / 新アリストテレス主義 / 存在論的依存性 / 形而上学的基礎性 |
研究概要 |
本年度の研究では主に、カテゴリー論において中核的な役割を果たす「基礎づけ(Grounding)」概念に焦点を当て、存在論的探究におけるその理論的役割について考察を行った。 具体的には、まず、「基礎づけ」概念に基づく形而上学的プログラムを脅かす根本的問題(「基礎づけの基礎づけ」問題)を取り上げ、既存の対応を比較・検討した。それにより、本質的な争点を明らかにし、解決のためのひとつの見通しを示すとともに、当該の問題が「形而上学的説明」という発想の核心に迫るものであることを示した。次に、前年度の研究の焦点であった「真にするもの(Truthmaker)」概念を「基礎づけ」概念に基づいてどのように厳密に定義できるかについて考察し、既存の提案を批判しつつ新たな定義を提示した。そのうえで、基礎づけの理論とTruthmakerの理論におけるそれぞれの洞察が互いの問題に対して有用なアプローチを提供することを明らかにした。そして、この成果を応用するかたちで、基礎づけの理論を脅かすとされるパラドクス(Kit Fineのパラドクス)を取り上げ、Truthmakerの理論に含まれる重要な視点(形而上学的説明と概念的説明の差異)を手がかりにしながら、これまで指摘されてきたパラドクスを統一的に解決する方法を示した。また、さらなる応用として、Truthmakerの理論を脅かすとされる「否定的真理の問題」を取り上げ、否定的真理がTruthmakerの理論にとってどのような意味で問題となるのかを「Truthmaker」概念が依拠する「基礎づけ」概念をもとに再考したうえで、「世界全体」がすべての否定的真理のTruthmakerであるという主張が一定のもっともらしさをもつことを示した。 これらはいずれも現代的カテゴリー論の原理的な基盤に関する成果であり、その基礎概念の解明に寄与したと言える。
|
今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
|