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19世紀デンマーク文学におけるユラン地方表象の変容

研究課題

研究課題/領域番号 12J05340
研究種目

特別研究員奨励費

配分区分補助金
応募区分国内
研究分野 ヨーロッパ文学(英文学を除く)
研究機関大阪大学

研究代表者

奥山 裕介  大阪大学, 文学研究科, 特別研究員(DC2)

研究期間 (年度) 2012 – 2013
研究課題ステータス 完了 (2013年度)
配分額 *注記
1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2013年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
2012年度: 500千円 (直接経費: 500千円)
キーワード北欧 / デンマーク文学 / ティヴォリ / ユラン半島 / 地域イメージ / オリエンタリズム / 他者表象
研究概要

群島国デンマークの中で例外的にドイツと地続きの半島であるユラン地方の地理的イメージが、19世紀各世代のデンマーク文学テクストにどのように描かれているかについて研究を進めた。第一に、都市コパンハーゲンとユラン地方の文化的対立および風景イメージの対照性に関する議論を整理することとし、舞二に両者の対立関係や文化的交渉が辿った世代的変遷を検討した。
研究計画全体の縦軸をなす第一の作業は、コペンハーゲンとユランの風景表象が個別の変容を遂げたことを前提としつつも、文学テクストにおいて両者のイメージの間に干渉や循環が認められる点に特に留意した。そのもっとも顕著な例証を、セーアン・キェルケゴールの著作集rあれか=これか』に求めた。同書は、著者が生きた1843年前後のコペンハーゲンの都市風俗を前提としつつも、それに先立って執筆されたユラン旅行記における地方経験と深く結びついている点に特色が認められる。都市風景をオリエンタルな形象とともに描くキェルケゴールのコペンハーゲン像は、他方においてユランの荒野風景をオリエントの荒涼たる風景に見立てようとする同時代の言説とパラレルな関係にあり、ここにおいてオリエンタリズムを媒介とする都市イメージと荒野イメージの類推関係が成立する。
さらに第二の作業においては、1880年代のコペンハーゲンを舞台とするヘアマン・バングの小説『化粧漆喰』を分析対象とした。その際、第2次シュレースヴィヒ戦争(1864)前後における都市と地方の風景の変容という歴史的背景に留意しながら、第一の作業と同様、コペンハーゲンとユランのイメージの間にみられる交渉関係を明らかにした。その上で、19世紀前半の反都市的な荒野イメージの記憶が、初期モタニズム時代における都市の風景表象に介入していることを考察し、コペンハーゲンとユランの間に間世代的なイメージ共有が認められることを明らかにした。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

報告書

(2件)
  • 2013 実績報告書
  • 2012 実績報告書
  • 研究成果

    (7件)

すべて 2013 2012

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [雑誌論文] ヘアマン・バング『化粧漆喰』におけるシュレースヴィヒ戦争の記憶―1880年代コペンハーゲンの娯楽スペクタクル文化と北欧地域像の関係2013

    • 著者名/発表者名
      奥山 裕介
    • 雑誌名

      比較文化研究

      巻: 102 ページ: 13-29

    • NAID

      40019876557

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [雑誌論文] 境界人の詩学としての『あれか=これか』―セーアン・キェルケゴールのユラン旅行と1840年代コペンハーゲンにおける遊歩者像の形成2013

    • 著者名/発表者名
      奥山 裕介
    • 雑誌名

      独文学報

      巻: 29 ページ: 27-55

    • NAID

      40019892081

    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] 「不滅の物語」を求めて――デンマーク文学における「教養」の脱領域化とユダヤ文化の関係2013

    • 著者名/発表者名
      奥山 裕介
    • 学会等名
      神戸・ユダヤ文化研究会
    • 発表場所
      追手門学院大学
    • 年月日
      2013-08-24
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
    • 招待講演
  • [学会発表] 周縁人の詩学としての『あれか・これか』――セーアン・キェルケゴールのユラン半島旅行と周縁ヨーロッパ都市コペンハーゲンにおける観察者の自己成型2013

    • 著者名/発表者名
      奥山 裕介
    • 学会等名
      第14回キェルケゴール協会学術大会
    • 発表場所
      大谷大学
    • 年月日
      2013-07-07
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 内なる「異境」の発見-19世紀デンマーク文学・芸術におけるユラン半島ヒース文化の美的表象2013

    • 著者名/発表者名
      奥山 裕介
    • 学会等名
      第35回日本比較文化学会全国大会
    • 発表場所
      同志社大学
    • 年月日
      2013-06-08
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] セーアン・キェルケゴールのユラン半島旅行と周縁ヨーロッパ都市における遊歩者像の形成2013

    • 著者名/発表者名
      奥山 裕介
    • 学会等名
      第211回阪神ドイツ文学会研究発表会
    • 発表場所
      神戸大学
    • 年月日
      2013-04-07
    • 関連する報告書
      2013 実績報告書
  • [学会発表] 19世紀コペンハーゲンの娯楽スペクタクル文化と北欧地域像の関係―ヘアマン・パング2012

    • 著者名/発表者名
      奥山裕介
    • 学会等名
      日本比較文化学会
    • 発表場所
      同志社大学(京都府)
    • 年月日
      2012-12-08
    • 関連する報告書
      2012 実績報告書

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公開日: 2013-04-25   更新日: 2024-03-26  

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