研究実績の概要 |
本年度の研究実績は次の2つに集約される。
(1)これまでの研究成果についてまとめた展望論文が出版された(Kawamoto, Ura, & Nittono, 2015, Frontiers in Neuroscience)。この展望論文では、社会的排斥が引き起こす個人内・対人間過程について統合的な枠組みを提示し、今後の展望を議論した。
(2)社会的排斥の個人内・対人間過程を調整する個人差(拒絶感受性・自尊心・ノスタルジア・愛着回避)に着目した実験結果を4件の学会で報告した。まず、拒絶感受性が排斥の検出ではなく、解釈の歪みを反映していることが示唆された。次に、ノスタルジアが排斥された後の表情刺激に対する動機的注意を調整することが明らかになった。また、自尊心が排斥された後に嫌悪顔に対して視覚的注意を高めることが示唆された。最後に、愛着回避が社会的排斥と抑うつの関連を調整することが明らかになった。
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