研究課題
特別研究員奨励費
研究代表者は、基質石灰化のメカニズム解明を目的とし、下記の2つの研究を実施した。(1)軟骨細胞特異的TNAPTgマウスの解析結果を元に、骨芽細胞特異的なtype I collagen al promoterに組み込んだhuman TNAP遺伝子を過剰発現するTgマウスの作製を行った。これまでの研究成果より、モノリン酸を生成するTNAPとピロリン酸合成を行うENPP1には相互的な制御作用が存在する可能性、さらにモノリン酸が増加しても基質小胞内に存在すると考えられるpitl/ANKの膜輸送体の発現・機能を解析する必要が考えられた。よって、現在、このTgマウスの骨における膜輸送体蛋白の発現および機能活性を計測や、石灰化結晶の超微細構造を透過型電子顕微鏡(TEM)およびTEM-EDXで元素分析等を行い、以前の研究成果と統合的に解析を進めている。(2)血管石灰化を生じるモデル動物であるklotho遺伝子変異(kl/kl)マウスの大動脈において、死んだ平滑筋細胞や細胞内への無秩序なCa・P沈着は認められず、①基質小胞の分泌・産生によるbiologicalcalcificationと②断裂した弾性線維へのdystrophic calcificationの二通りが観察された。これらは、粥状変性内の石灰化とは異なったメカニズムであることが強く示唆された。また、一部で、骨基質様のマトリックスが形成され、TRAPase/cathepsin K陽性破骨細胞が出現したことから、血管石灰化と言われていた現象は、「血管骨化 : vascular ossification」の1つのプロセスである可能性が非常に高いと推測された。さらに、ヒト慢性腎臓病患者の動脈を組織学的に解析した結果、血管石灰化・血管骨化が遺伝子組み換えマウスだけではなく、ヒトの動脈にも認められることを明らかとした。
(抄録なし)
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