研究課題/領域番号 |
12J05868
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
統計科学
|
研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
宇佐美 慧 東京工業大学, 大学院社会理工学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2012 – 2014-03-31
|
研究課題ステータス |
採択後辞退 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2013年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
2012年度: 1,200千円 (直接経費: 1,200千円)
|
キーワード | 潜在変化得点モデル / 混合モデル / サンプルサイズ / 検定力 / 縱断データ / 構造方程式モデリング決定木 / 潜在曲線モデル / 分類 / 縦断データ / 情報量規準 / 高齢者 / ベイズ法 |
研究概要 |
<研究1 : 縱断的な実験研究にけるサンプルサイズ決定> モデル表現としての一般性の高い潜在変化得点モデルの中でも, 特に利用頻度の高い潜在曲線モデル(階層線形モデルとも言えるもの)を利用する状況にまず注目して, 一定の精度で実験効果を検出するために必要なサンプルサイズ決定法の簡便法を提案し, その成果が国際誌に掲載された. <研究2 : 潜在変化得点混合モデルにおける分類の性能評価・比較研究> 混合モデルと言う手法を通して, データの背後にある複数な変化パタンを抽出し, 個人を分類できる. 潜在変化得点混合モデルは潜在変化得点モデルと混合モデルを融合した方法である. またデータの分類法として注目されている方法に構造方程式モデリング決定木がある. これら2つの方法の分類精度の性能比較を行う為の大規模なシミュレーション研究を行い, 国際誌への投稿準備をしている. <研究 3 : 縱断データに関する応用研究> データの正規性など, 社会科学のデータでは非現実的な仮定を必要とせずに高い精度で変化パタンを推定できる柔軟なモデルの開発が必要とされている. 今年度このようなモデル開発の研究は遂行できなかったが, 構造方程式モデリング決定木は, 対象に応じて当てはめるモデルを柔軟に変えながら分類できる方法である. 現在, 米国の社会調査データを用いた応用論文を執筆中である. <研究4 : 因果関係を検証するための縱断データにおけるモデル比較> 変数間の因果関係を統計的な意味で調べるためのモデルには, 潜在変化得点モデル以外にも様々なものがある. これらのモデルの間の数理的な違いや歴史的経緯の違いを考察するとともに, 実際のこれらのモデルの性能比較を大規模なシミュレーション研究にて行い, その成果を国際誌へ投稿した.
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
一部, 当初の研究課題で十分に遂行できなかったもの(研究3)があったが, 自身の専門分野への発展性からしてより優先度の高い研究課題(研究2, 研究4)を今年度発見し, 遂行できたため. また, この点に加えて, 交付申請書の通り, 日本では縦断データ(潜在曲線モデル)の解説書がないことが問題であったが, 今年度それに関する基礎を著した教科書(第一著者)を執筆することができたため.
|
今後の研究の推進方策 |
・研究1については, 二値データや順序データなど, これまで想定していた連続データでないばあいの簡便なサンプルサイズ決定方法を検討していく予定である. ・研究2については, 測定時点数の統制やモデルの誤設定の影響など, これまでのシミュレーション実験では十分考慮できていない要因があるため, それらの点もさらに踏まえた実験を進めて行く予定である. ・研究3については, 日本語での構造方程式モデリングの解説論文を執筆していくとともに, 今後さらに米国の他の社会調査データ・医学データに基づく応用研究を進めて行く予定である. ・研究4は, 現段階で概ね最終的な結論が得られているため, 今後の理論研究にその知見を活かす予定である.
|