研究課題/領域番号 |
12J06267
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理(理論)
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
栗原 希美 北海道大学, 特別研究員(DC1)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2014-03-31
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研究課題ステータス |
採択後辞退 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | A=6原子核 / α+N+N模型 / アイソスピン混合 / 共鳴状態 / 2核子相関 / 閾値効果 |
研究概要 |
研究成果の具体的内容:今年度、以下の2つの課題に取り組んだ。 (1)「^6Liの束縛・低励起状態でのアイソスピン混合」の研究 (2)「遷移強度から見るA=6系における2価核子の空間分布」の研究 (1)の成果については、α+p+n模型を仮定し、p-n間に現実的核力(AV8')と3体崩壊と3体共鳴状態を正確に記述する複素座標スケーリング法を用いて^6Li核のエネルギー計算を行い、6^Li核の約6MeVまでに観測されるすべて状態のエネルギーと崩壊幅を再現することを示した。また、得られた波動関数からT=0と1の混合を計算し、アイソスピン混合の値は小さく、ハロー構造による影響は見られないが、^5He+pや^5Li+nの崩壊チャネルとのカップリングの影響が見られることが分かった。 (2)の成果は、α+N+N三体模型を用いて、親核(^6He)と娘核(^6Li)の構造を統一的に扱い、二核子間のダイナミクスを陽に取り入れた計算を行った。得られた結果から、Gamow-Teller遷移強度はスピンにはあまりよらず、空間的配位に大きく影響されること、^6Heの価核子の空間的配位はdi-neutron likeとshell model likeな配位が混ざり合っているが、di-neutron likeな状態がより実験を説明することが分かった。 研究の意義:不安定核である^6Heと^6Be、安定核である^6Liについて、T=0,1の両方の状態を統一的、かつ厳密理論計算を行い、アイソスピン状態によって原子核構造がどのように共存、変化するのかを調べるという点において、当該研究は独創的で、その意義は大きい。 研究の重要性:A=6系におけるT=0のクラスター構造とT=1の核子相関の構造の共存を調べるというテーマは、安定核の高励起状態や不安定核を含む様々な状態の原子核構造の理解に繋がる重要な研究テーマである。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
今年度の2つの研究課題については、計算、分析など順調に進み、その成果を、海外で開催された国際会議を始め、国内で開催された研究会、学会や国際会議で発表・報告を行った。しかし、後半、体調がすぐれず論文執筆か遅れ、論文発表ができなかったことによる。
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今後の研究の推進方策 |
体調の回復に伴って、これまでの遅れを取り戻すため、論文の執筆・発表を行う。また、2年次以降の研究テーマについては予定通り進める。それについては、特に問題になることはない。
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