次世代シナプスモデルを用いた発達期プレシナプスの選択的強化・除去機構の研究

• 研究課題/領域番号: 12J06287
• 研究種目: 特別研究員奨励費
• 配分区分: 補助金
• 応募区分: 国内
• 研究分野: 神経・筋肉生理学
• 研究機関: 東北大学
• 研究代表者: 江川 遼 東北大学, 大学院生命科学研究科, 特別研究員(PD)
• 研究期間 (年度): 2012 – 2013
• 研究課題ステータス: 完了 (2013年度)
• 配分額: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円); 2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円); 2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
• キーワード: 軸索刈込 / オプトジェネティクス / 軸索トレーシング / ニワトリ胚 / 毛様体神経節 / カルシウムイメージング / Brainbow

研究概要

ニワトリ毛様体神経節におけるプレシナプスの発達過程は、ブートン状から杯状に成熟するシナプス前終末の選択過程と、それ以外の余分なシナプス前終末および軸索側枝の除去過程に大別できる。本研究では、プレシナプス特異的な最先端の光遺伝学プローブの導入と関連分子の過剰発現・機能阻害を通じて選択的強化・除去過程の分子機構の解明を目指すとともに、その病態生理学的な側面についても検討を行うことを目的とする。
採用第2年度目である25年度は、プレシナプスニューロンの形態的評価法を確立した。直径約700umの神経節内において密に絡み合った軸索走行を評価するには、1.サンプル調整、2.イメージング、3.トレーシング、4.定量解析という4ステップを踏む必要がある。1.については透明化試薬ScaleA2、まばら発現を実現させるThylSプロモーター、発現量を向上させるWPRE配列などを組み合わせることで最適化した。2.については2光子顕微鏡AIR MP+に高性能水浸対物レンズを組み合わせることで表面から裏面までの高精細な画像取得を実現した。3.・4.について、汎用性の高い商用ソフトは高額で特別研究員の研究費では購入できなかったが、複数のフリーウェアを組み合わせることで達成できた。現在これら一連の手法を用いて、軸索走行発達の定量解析を進めている。また、K^+チャネルKir2.1を導入し神経活動を低下させたところプレシナプス発達に異常が見られたことから、神経活動の影響についての解析も進めている。
本実験系を用いた研究成果は、和文総説として商業誌に2報掲載された他、国際研究会にて1回、国内学会・研究会にて2回ポスター発表され、また国内研究会にて2回口頭発表された。このうち第45回東北生理談話会での口頭発表において、日本生理学会から東北日本生理科学奨励賞を授与された。

今後の研究の推進方策

(抄録なし)

研究成果

• [雑誌論文] オプトジェネティクスによる細胞機能の光操作 (2014)
  • 著者名/発表者名: 江川遼、八尾寛
  • 雑誌名: 月刊細胞 巻: 46(5) ページ: 242-245
  • NAID: 40020155660
• [雑誌論文] 光遺伝学に有用なツール開発 : 分子、遺伝子導入、光照射の実際軸 (2014)
  • 著者名/発表者名: 八尾寛、江川遼
  • 雑誌名: 細胞工学 巻: 33(3) ページ: 243-248
• [雑誌論文] Optogenetic Probing and Manipulation of the Calyx-Type Presynaptic Terminal in the Embryonic Chick Ciliary Ganglion. (2013)
  • 著者名/発表者名: Egawa, R., Hososhima, S., Hou, X., Katow, H, S., Ishizuka, T. Nakamura, H., and Yawo, H.
  • 雑誌名: PLoS ONE 巻: 8 号: 3 ページ: e59179-e59179
  • DOI: 10.1371/journal.pone.0059179
  • 査読あり
• [学会発表] Channelrhodopsin overview (2014)
  • 著者名/発表者名: 江川遼
  • 学会等名: 国立高等研究所研究会
  • 発表場所: 国立高等研究所(京都)
  • 年月日: 2014-02-27
  • 招待講演
• [学会発表] 光遺伝学的に誘起された杯状シナプス前終末小胞体ストアからのCa2+放出 (2014)
  • 著者名/発表者名: 江川遼
  • 学会等名: 第3回東北脳科学ウィンタースクール
  • 発表場所: 鳴子温泉幸雲閣(仙台)
  • 年月日: 2014-02-15
• [学会発表] 光遺伝学的に誘起された杯状シナプス前終末小胞体ストアからのCa2+放出 (2013)
  • 著者名/発表者名: 江川遼
  • 学会等名: 第45回東北生理談話会
  • 発表場所: 東北大学(仙台)
  • 年月日: 2013-10-02
• [学会発表] Optogenetically-evoked Ca2+ release from intracellular store in the calyx-type presynaptic terminal of the embryonic chick ciliary ganglion (2013)
  • 著者名/発表者名: 江川遼
  • 学会等名: IUPS2013
  • 発表場所: バーミンガム(イギリス)
  • 年月日: 2013-07-23
• [学会発表] ニワトリ胚毛様体神経節杯状シナプス前終末における光遺伝学的操作・計測 (2013)
  • 著者名/発表者名: 江川遼
  • 学会等名: NEURO2013
  • 発表場所: 京都国際会館(京都)
  • 年月日: 2013-06-21
• [学会発表] フレキシブルな遺伝子操作が可能なプレシナプス研究プラットフォームの確立 (2013)
  • 著者名/発表者名: 江川 遼
  • 学会等名: 第90回日本生理学会大会
  • 発表場所: タワーホール船堀(東京)
  • 年月日: 2013-03-27
• [学会発表] ブレシナブスの機能形態発達研究を加速させる次世代モデルシステムの確立(口頭) (2013)
  • 著者名/発表者名: 江川 遼
  • 学会等名: 第2回東北脳科学ウインタースクール
  • 発表場所: 秋保温泉ホテル華の湯(仙台)
  • 年月日: 2013-02-24
• [学会発表] プレシナプスの機能形態発達研究を加速させる次世代モデルシステムの確立(ポスター) (2013)
  • 著者名/発表者名: 江川 遼
  • 学会等名: 第2回東北脳科学ウインタースクール
  • 発表場所: 秋保温泉ホテル華の湯(仙台)
  • 年月日: 2013-02-23
• [学会発表] プレシナプスの機能形態発達研究を加速させる次世代モデルシステムの確立 (2012)
  • 著者名/発表者名: 江川 遼
  • 学会等名: 生理研シナプス研究会神経シナプス伝達の時空間ダイナミクス
  • 発表場所: 生理学研究所(岡崎)
  • 年月日: 2012-11-28
• [学会発表] A novel platform for the study of presynaptic development, morphology and physiology which allows flexible gene manipulation in vertebrate neuronal circuit (2012)
  • 著者名/発表者名: 江川 遼
  • 学会等名: Cold Spring Harbor meeting 0n Axon Guidance, Synaptic Plasticity & Regeneration
  • 発表場所: Cold Spring Harbor Laboratory (NY, USA)
  • 年月日: 2012-09-20
• [学会発表] プレシナプスの機能形態発達研究を加速させる次世代モデルシステムの確立 (2012)
  • 著者名/発表者名: 江川 遼
  • 学会等名: 2012年度包括脳ネットワーク夏のワークショップ
  • 発表場所: 仙台国際センター(仙台)
  • 年月日: 2012-07-26
• [備考]
  • URL: http://researchmap.jp/ryo_egawa/
• [備考]
  • URL: http://neuro.med.tohoku.ac.jp/japanese/noukinou.html
• [備考]
  • URL: http://www.lifbsci.tohoku.ac.jp/research_ja/15541/
• [備考]
  • URL: http://researchmap.jp/ryo_egawa/
• [備考]
  • URL: http://neuro.med.tohoku.ac.jp/japanese/noukinou.html
• [備考]
  • URL: http://www.lifesci.tohoku.ac.jp/research_ja/15541/