研究課題
特別研究員奨励費
H25年度に得られた結果は以下の通りである、①H24年度に得られた桂川における医薬品類の日内変動調査、ラボ実験の結果を用いて、Zeppらが提唱した水環境中における化学物質の光分解速度の推定式の検証を、世界で初めて実施した。その結果、光分解性は高いが、光分解以外の減衰因子の寄与が無視できる医薬品類3物質(ketoprofen、furosemide、diclofenac)に関して、Zeppらの式による推定値と現地調査で観測された実測値とが概ね一致し、Zeppらが提唱した光分解速度の推定式の有用性が実証された。この結果を国際誌に投稿し、掲載されることが決定した(花本ら, 2013)。②一方、病原微生物に関しても、同様に、水環境中において減衰する可能性があるが、知見は不足している。そこで、指標微生物の大腸菌と大腸菌ファージのsomatic coliphageを対象とし、宇治市の下水道未整備地域を流下する古川において日中と夜間にスポット調査を数回実施し、河川流下過程における指標微生物の減衰の実態を把握した。その結果、大腸菌、somatic coliphageともに、夜間はほとんど減衰しなかったが、日中には数10%程度の減衰が観測された。③また、大腸菌とsomatic coliphageに対し、太陽光による不活化と死滅に関するラボ実験を行い、これを現地調査で得られた減衰と比較することで、減衰メカニズムの解明を試みた。その結果、大腸菌の減衰は太陽光による不活化の寄与が大きいが、死滅による減衰も無視できない程度に影響を受けていたが、somatic coliphageは太陽光による不活化の影響が大部分であり、死滅の影響はほとんど受けていないと考えられた。
(抄録なし)
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巻: 47 号: 23 ページ: 13571-13577
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環境工学研究論文集
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