研究課題/領域番号 |
12J06891
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
物性Ⅱ(磁性・金属・低温)(実験)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
杉本 聡志 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | スピントロニクス / スピンダイナミクス / スピントランスファートルク / 磁気抵抗効果 |
研究概要 |
近年の微細加工技術の強右側な発展により、スピントロニクスが目覚ましい発展を遂げてきた。本研究は、フォトニック結晶の磁性体におけるアナロジーである、マグノニック結晶の開発を目標としている。単位胞として、単磁区構造を用いた2次元マグノニック結晶は、早期より多々報告されてきたが、本研究では、磁気渦構造を使用した。渦構造は磁気ソリトン波とみなせ、擬似質点の古典的な記述で表される他、磁気構造自体の独立した2つの自由度を利用することで、零磁場下においても磁化構造を反転させることで、可変なバンド構造を有する人工結晶として機能することが提唱されている。 実験手法としては、磁気光学Kerr顕微鏡をもちいた光学測定による空間分解測定と、磁気抵抗効果を利用したダイオード測定による周波数分解測定の2つの手法が採られた。光学測定においては、パンプ・プローブ法によりフェムト秒オーダーの分解能での測定を行い、横Kerr効果により、連結系の渦芯ダイナミクスの観測に成功した。これにより、同一平面上に連結した磁気渦の動的散逸過程が議論され、その結果、粘性散逸定数が結合強度に依存せず、磁気渦構造自体の内因効果により決定することが見いだされた。電気的測定においては、高調波を用いたヘテロダイン検波の開発と、連結系の周波数特性の議論が行われた。前者は、近年報告された磁気渦におけるホモダイン検波を発展させたもので、渦構造に対称性の破れが無くとも、高感度に微小磁気渦構造が検波できる特徴がある。これは、近年議論されている、磁気渦におけるスピントランスファートルクの非断熱係数の定量解析に活用できる可能性がある。後者では、最大で1次元状に連結した磁気渦鎖のノーマル・モードの検波が行われた。その結果、多連結系においては、有限なバンド幅を持ち、前述した2つの磁気的自由度を変えることで、そのバンド構造を変調されることが実験的に確認された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
散逸定数の小さくないパーマロイ合金を主に用いた本研究では、半値幅が増加し、特に多連結系においてのスペクトル解析に十分な周波数分解能を得ることが困難であった。光学検波も感度の低さから精密な議論が難しく、結果、計画当初予定していた2次元系の実験観測には至らず、一次元系の研究に終始してしまった。
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今後の研究の推進方策 |
他連結系の動的観測に関しては、軟x線顕微鏡を利用することが時間、空間分解の点からも最有力といえる。また、磁気渦構造は、有限長のドットにおける、そのコヒーレントなダイナミクスから、dc発信子としても有力視されている。本研究の電気的測定で培われた、渦芯操作技術、位相ロックを用い、2次元上に連結した磁気渦発信子の研究は、応用上の観点からも意義深いと言える。また、高調波によるヘテロダイン検波は、スピントランスファートルク印加時における、物埋係数の定量解析に有効であることが予測される。
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