研究課題
特別研究員奨励費
本年度は、TALENの効率的な作製法と評価法を確立し、哺乳動物培養細胞および動物個体への応用が可能であることを確かめるため、以下の通り研究を実施した。TALENは標的のDNA配列を認識するリピートを任意の並びで組み合わせることで、配列特異的にゲノムDNAを切断できる人工ヌクレアーゼである。切断されたゲノムDNAはただちに修復されるが、この際の偶発的なエラーによって目的の遺伝子を破壊することが可能となる。Addgeneから配布されているTALEN作製キットであるGolden Gate TALEN and TAL Effector Kitは、汎用性が高く世界中で広く利用されているが、リピートの連結効率に難があり、また構築したTALENの活性評価に多くの時間を要するという難点があった。本研究では、キットのベクターに改変を加えることで、一度に連結するリピートの数を減らし、アセンブリーの成功率を飛躍的に上昇させることに成功した。また、TALENの活性評価法として、ヒト培養細胞であるHEK293T細胞を用いたアッセイ系を採用することで、オリジナルの酵母でのアッセイ系と比べて大幅な時間短縮と作業効率の向上を実現した。本研究によって確立されたTALENの作製システムは、既に国内外で広く使用されており、ヒトiPS細胞を含む哺乳動物培養細胞に加え、ショウジョウバエ、ゼブラフィッシュ、アフリカツメガエル、ラットなど様々な動物に適用可能であることが示されている。本研究で開発した改変ベクターは、近くオリジナルのキットのアドオンとして配布が開始される見込みであり、今後世界中で更なる利用が期待される。
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すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 10件) 学会発表 (3件)
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