研究課題/領域番号 |
12J07183
|
研究種目 |
特別研究員奨励費
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
教育社会学
|
研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
尾川 満宏 広島大学, 大学院教育学研究科, 特別研究員(PD)
|
研究期間 (年度) |
2012 – 2013
|
研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
|
配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
|
キーワード | 若者 / ローカリティ / 社会=空間 / 若者の地理学 / 地方 / 学校から仕事への移行 / グローバル / ローカル / エスノグラフィー / 人文地理学 / 空間論的転回 |
研究概要 |
本研究の目的は、地方における高卒就職者の「学校から仕事への移行」および仕事を通じた「大人への移行」をローカルな社会状況や文化との関連から明らかにすることである。平成25年度は、地方の若者たちの移行過程に〈ローカリティ〉をとらえる理論と方法を精緻に検討した。加えて、9月から10月にかけて英国ニューカッスル大学地理学科に滞在し、訪問研究を行った。 理論研究では、空間や場所と若者の社会生活との関連をとらえる英語圏人文地理学の視点と、ローカリティを社会的達成とみなす文化人類学者アルジュン・アパデュライの視点とを接続させる試みを行った。アパデュライは今日のローカリティがグローバルに生産される局面に着目しているが、その認識論において、ローカリティを身体化した「ローカルな主体」とかれらによる時間と空間のローカル化の実践を重要視している。本研究ではこの認識論を援用し、職業移行をはじめとする若者の「大人になる」経験を、ローカルな主体として自己を生産しつつ同時に「地元」の生産という空間のローカル化をも達成する過程として理解できることを明らかにした。 ニューカッスル大学での訪問研究では、現地研究者の協力を得ながら「若者の地理学」関連の文献を収集し、研究動向を調査した。その結果、イギリスにおける人文地理学ではイングランド南部からスコットランドに至るまでさまざまな地域で若者調査が行われており、地域の歴史や社会状況を考慮した分析が蓄積されていることを明らかにした。一方、それらの研究では地理的・空間的概念が分析上強調されているものの、階級やアイデンティティなどをめぐる社会学的洞察が不十分である点が限界として指摘できた。以上の活動から、本研究では若者の経験をめぐる社会学的なアプローチと地理学的なアプローチを接合した「社会=空間」という概念を構想し、分析上の具体的な課題を示すことができた。
|
今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
|