研究課題
特別研究員奨励費
一昨年度、昨年度達成した、リゾチーム結晶を用いた一酸化炭素(CO)分子の貯蔵と放出反応を利用し、本年度は細胞内部へのCOガス分子デリバリーを行った。また様々な金属錯体や蛋白質変異体結晶を利用することで、光応答型CO放出をはじめとするCO放出コントロールを試みた。[1. リゾチーム結晶複合体を用いた細胞へのCO分子導入] COは細胞内の転写因子NF-κBの活性およびその下流にある蛋白質の発現を制御することが報告されている。リゾチーム結晶とルテニウムカルボニル錯体からCO放出複合体を調製し、細胞へのCOガス導入材料として利用した。HEK293/kB-Fluc細胞を培養し、ここにリゾチーム結晶-Ru(CO)2複合体を加えた。一定時間培養後細胞を破砕し、ルシフェラーゼレポーターアッセイを行った。その結果、リゾチーム結晶-Ru(CO)2複合体を加えた細胞は強いルシフェラーゼ発光を示した。このことは、リゾチーム結晶-Ru(CO)2複合体から放出されたCO分子が細胞内に導入され、NF-κBを活性化したことを示唆している。[2. 昆虫細胞多角体結晶を用いたCO放出材料の創製] 金属錯体を集積可能であるポリヒスチジンタグ(His-tag)を多角体に変異導入することで、大量のカルボニル錯体の貯蔵とCO放出を実現できる蛋白質結晶の創製を試みた。His-tag変異体結晶は野生型と比べ、ルテニウムカルボニル錯体を約2倍の効率で内部に集積し、約3倍のCOガスを放出することが明らかとなった。また、転写因子NF-κBを7倍の効率で活性化した。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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