研究課題
特別研究員奨励費
平成24年度は以下の2テーマについて研究を行った。・交渉ゲームに基づいた自己組織的機能体形成(共同研究:WINLAB)本研究は、以下の3つに分けられる。(1)システムモデルの設計提案システムでは、Wi-FiやBluetoothで隣接端末とローカルWを形成し、機能体を形成する。機能体は機能体同士やインターネット上のデータセンタとも協調し資源を共有する。(2)異なる資源の価値を適切に評価するメカニズムの設計通信や計算タスクの処理によるサービス享受までの待ち時間に基づき、計算資源、通信資源、ストレージ資源などの種類の異なる資源の共有に対する効用を統一的に評価する手法を提案した。(3)最適資源共有メカニズム。地理的距離と資源共有の効用のトレードオフをモデル化し、協調のインセンティブを考慮した最適化問題を設計することで、最適な資源共有メカニズムを導いた。提案方式はサービス享受までの待ち時間を約2倍削減した。・社会ダイナミクスに基づいた予測的機能体形成手法(共同研究:CREATE-NET)本年度は、予測を行うための社会ダイナミクスをグラフの変化から抽出するメカニズムを設計した.提案システムは、人や場所、モノ、サービスの地理的な位置関係とSNSサービスから得られる人と人、人とモノなどの社会的なつながりを統合し、社会的コンテキストの変化を検出する。本研究ではそれらを一つのグラフで表現する手法を提案した。このグラフの変化を評価することで、人やモノがおりなす社会におけるコンテキストの変化を検出することができるようになった。シミュレーションにより、提案方式を評価した。提案手法は、従来手法の30%程度の遅延時間で、社会的コンテキスト変化を検出することができた。これにより、予測的なコンテンツ配信や通信帯域制御が可能となり、トラヒックを削減および局所化できる。
1: 当初の計画以上に進展している
交付申請書に記載した資源価値評価メカニズムの設計および形成予測メカニズムの設計を達成し、その先の課題である端末間協調の定式化まで行った。
他端末問題に取り組み、より一般的な環境を想定した検討を行う。
すべて 2012
すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件)
ACM/Springer Mobile Networks and Applications
巻: vol. 17, no. 6, 号: 6 ページ: 831-840
10.1007/s11036-012-0398-7
IEICE Transactions on Communications
巻: E95.B 号: 6 ページ: 1944-1952
10.1587/transcom.E95.B.1944
10031021425