研究課題
特別研究員奨励費
光赤外を用いた研究に関しては、すばる望遠鏡の広視野近赤外撮像装置MOIRCSと赤方偏移2.2、2.5にあるHα輝線を捉える2つの狭帯域フィルターを用いた星形成銀河探査の解析を進めた。ハッブル宇宙望遠鏡の高空間分解能かつ深い可視近赤外撮像データがすでに所得されているCANDELS領域において、100個を超えるHα輝線銀河を同定することに成功し、これらすべての銀河に対して形態解析を行った。赤方偏移1の時代の銀河ではすでにバルジが形成され、星形成は主に円盤で行われているが、赤方偏移2を超えた銀河ではバルジを形成している最中であることを明らかにした。また多くの星形成銀河は同じ星質量の近傍銀河と比較したときに、同程度のサイズの円盤をすでに獲得しているのに対して、近傍宇宙にはほとんど存在しない星質量表面密度が極めて高い、コンパクトな大質量星形成銀河を2天体発見した。これらは現在の宇宙における大質量楕円銀河の祖先だと考えられる。電波を用いた研究に関しては、赤方偏移2.5にある原始銀河団USS1558-003におけるJVLAを用いたCO (1-0)輝線観測の解析を進めた。視野内に20天体のサンプルが含まれており、そのうち3天体からCO (1-0)輝線を検出することに成功した。これらの天体については、スピッツァー宇宙望遠鏡に搭載された中間赤外線撮像装置MIPSの24umで検出されており、ダストによる再放射起源と考えられる赤外光度を見積もった。これらの赤外光度とCO光度を組み合わせ、銀河の星形成効率が普通の星形成銀河に比べて高いことを明らかにした。
(抄録なし)
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