研究課題
特別研究員奨励費
昨年度の研究から,PPARγ選択的アンタゴニストのPPARγ/CoR複合体安定化能の制御が可能であることを提案してきた.PPARγ/CoR複合体は2型糖尿病や肥満の病態に大きく関与していることから,PPARγ/CoR複合体の安定化能を制御することは,これら疾患におけるPPARγ/CoR複合体の機能全容解明のみならず新規医薬品創出にも繋がると考えられる.そこで本研究では,PPARγ選択的アンタゴニストのPPARγ/CoR複合体安定化能の制御が可能であるという概念に基づき,これまで報告のなかったPPARγ/CoR複合体安定化能に着目したPPARγ選択的アンタゴニストの創製研究を展開した.その結果,まずリード化合物として選択したH12フォールディング阻害型アンタゴニストであるMEKT156の構造中,PPARγH12のフォールディングに大きな影響を与える部分構造をピンポイントで変換することで,PPARγ/CoR複合体安定化能はリガンドにより制御できることを示した。次に、適切な位置へのF原子の導入によりPPARγアンタゴニスト活性およびPPARγ/CoR複合体安定化能の向上が可能であることが明らかになり、最終的にこれらの活性が最も強いMEKT264の創出に成功した。MEKT264はこれまで報告されてきたPPARγ選択的アンタゴニストのなかで細胞レベルにおいて最も効果的にPPARγアンタゴニストとして機能することから抗肥満薬としての医薬応用やPPARγおよびPPARγ/CoR複合体の機能全容解明のためのケミカルツールとしての応用が期待される..
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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