研究課題
特別研究員奨励費
本研究課題は、ユーゴにおける第一次五カ年計画期の視覚的プロパガンダを、ソ連で実施された共産主義プロパガンダのアダプテーションとして取りあげ、ソ連からユーゴへの文化的影響を辿るとともに、対照比較の観点から双方の特徴を分析するものである。本年度はこの研究を実証的に進めるための事例研究と、それらをモノグラフィーとしてまとめる作業に専念した。事例研究の成果としては、論文「Visual Framing of Red Martyrs : Soviet and Yugoslav Partisan Propaganda Compared」が、セルビアの文化史研究誌『Kultura』138号に掲載されたほか、2013年ll月21日~24日には米国スラヴ・ユーラシア研究国際学会(ASEEES)の第45回年次大会において報告「Representation of the Folk in 1950s Yugoslav Propaganda : A Photo Series Issued by the Publishing House Yugoslavia」の口頭発表を行った(いずれも査読有)。また、平成25年度東京大学学術成果刊行助成を受けて、『国家建設のイコノグラフィー』(成文社、2014年3月)を刊行し、本研究の成果を単著のかたちでまとめることができた。
1: 当初の計画以上に進展している
ベオグラード応用美術大学での集中的な資料調査によって事例研究を進めることができたほか、研究に専念できる環境にあったため、当初3年間で研究成果をまとめることを予定していたが、2年間で本研究成果をまとめた単著『国家建設のイコノグラフィー』を刊行することができた。
平成25年度が最終年度である。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (2件) 図書 (1件)
Slavic Eurasia Papers (The Multilingual Society Vojvodina : Intersecting Borders, Cultures and Identites)
巻: 6 ページ: 95-120
Kultura
巻: 138 ページ: 199-207