研究課題
特別研究員奨励費
H26年度は、固体表面-量子ドット系に限らず種々の光エネルギー変換材料を研究対象と捉え、キャリア輸送に関するふたつの研究テーマに取り組んだ。すなわち、水分解光触媒GaN:ZnOのバンドベンディングに関する研究と、太陽電池材料として注目されているヨウ化鉛系ペロブスカイト化合物のホットキャリア寿命に関する研究である。半導体材料が光触媒や太陽電池として機能するためには、光吸収により生じた電子と正孔の再結合を抑制する必要がある。半導体表面近傍でのバンドベンディングは、電荷分離を促し再結合を抑制するため、光エネルギー変換において重要な役割を果たす。申請者は、密度汎関数法を用いた第一原理計算によってGaN:ZnOの表面モデルを調べた。その結果、表面の酸化したGaN:ZnOモデルでは、従来考えられているものとは異なる機構によるバンドベンディングが生じることが明らかになった。この結果は、本材料が高性能な光触媒として機能する原因を説明しうるものであり、今後の光触媒性能向上に向けた研究に指針を与えるものであると考えている。太陽電池材料におけるホットキャリアの有効利用は、そのエネルギー変換効率を向上するために重要な要因である。申請者は、密度汎関数摂動論および多体摂動理論を用いて電子―フォノン相互作用を計算することで、ヨウ化鉛系ペロブスカイト化合物におけるホットキャリア寿命を調べた。ヨウ化鉛セシウムCsPbI3のキャリア寿命を計算した結果、そのホットホールは非常に長い寿命を持つことが明らかになった。そのメカニズムを解析した結果、長寿命なホットホールはCsPbI3のみでなくヨウ化鉛メチルアンモニウムCH3NH3PbI3にも見られることが示唆され、過去に報告された実験結果を裏付けるものとなった。本結果は、現在注目されているペロブスカイト太陽電池のさらなる有望性を支持するものであると考えている。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
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Nano Letters
巻: 印刷中 号: 5 ページ: 3103-3108
10.1021/acs.nanolett.5b00109
Physical Review B
巻: 89 号: 8
10.1103/physrevb.89.085202
Journal of Chemical Physics
巻: 139 号: 4 ページ: 44711-44719
10.1063/1.4816476
http://www.tcl.t.u-tokyo.ac.jp/publications.html