研究課題
特別研究員奨励費
本研究ではNIRS(近赤外分光法)とfMRIを用いて、乳児、発達障害者、健常発達者(成人)の脳活動を計測し、顔・表情認知を担う脳領域をその発達過程から明らかにすることを目的とした。最終年度である本年度は、3つの研究を主著者として公刊した。公刊論文1では、乳児の表情認知が動画提示によって促進されることを示した。静止画では認知できない微細な表情であっても、動画提示することで認識できることを突き止め、この成果をPerception誌に掲載された。公刊論文2および3では、発達障害児の脳活動計測を行った成果を国際誌に発表した。まずはADHD児と定型発達児に幸福表情および怒り表情を観察させ、このときの脳活動を計測した。その結果、怒り表情に対してはADHD児は定型発達児とは異なる脳活動を見せたことがわかった(公刊論文2,Neuropsychologia誌)。さらにASD児とADHD児が、母親の顔を見ているときの脳活動を計測したところ、異なる脳活動が見られた。脳血流の違いから両群を識別するために機械学習を用いたところ、84%の正答率で識別できることがわかった(公刊論文3,Frontiers in Human Neuroscience誌)。これらの研究成果は海外で、乳児期の発達科学を専門とする研究者が集まるInternational Conference on Infant Studies、さらにNIRS計測の研究者が集まるfNIRS 2014、2015SRCD Biennial Meetingで発表した。研究成果を広報するため、公刊論文2はプレスリリースを行った。プレスリリースの成果は共同通信ワイヤーをはじめとする多くのサイトで取り上げられたほか、海外の研究者コミュニティに発信力の強いScience Daily誌を含む34の外のニュースサイトに広く取り上げられた。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (12件) (うち査読あり 11件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (17件) 備考 (3件)
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Journal of Experimental Psychology : Human perception & Performance
http://www.sciencedaily.com/releases/2014/09/140925100758.htm
http://c-faculty.chuo-u.ac.jp/~ymasa/ickw/