研究課題/領域番号 |
12J08178
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
免疫学
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研究機関 | 東京理科大学 |
研究代表者 |
羽生田 圭 東京理科大学, 生命科学研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2013年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
2012年度: 1,000千円 (直接経費: 1,000千円)
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キーワード | Bリンパ球 / アレルギー / IgE産生 / 免疫学 / 胚中心 / 免疫記憶 |
研究概要 |
IgEがアレルギーの主要な原因であることはよく知られているが、IgE陽性B細胞がいつ、どこで、どのように分化し、活性化してIgEを産生するのかはほとんど分かっていない。その理解はアレルギー性疾患の原因解明や治療法の開発に極めて重要である。前年度までの研究において、恒常的なIgE型B細胞受容体(BCR)シグナルが短命プラズマ細胞への分化を促進することを見出している。そこで、IgE型BCRによるB細胞の分化・活性化および維持機構の詳細な分子メカニズムを解明することを目的として研究を進めた。その結果、IgE型BCRは恒常的にCD19およびBLNKと会合すること、IgE型BCRの細胞外領域が短命プラズマ細胞分化に重要であることが明らかになった。さらに、CD19のPI3キナーゼp85結合モチーフがIgE型BCRによるAktの活性化およびIRF4の発現誘導に重要であることを明らかにした。また、BLNK欠損マウスにはIgE陽性の記憶B細胞や長期生存プラズマ細胞が多数蓄積することを見出した。上記の結果から、IgE-BCRは細胞外領域で何らかの分子と会合する、もしくは自己架橋によって恒常的にBCRシグナル伝達を開始する可能性が示唆された。この恒常的なIgE型BCRシグナルはCD19-PI3K-AktとBLNKを介して伝達され、IRF4の発現を誘導して短命プラズマ細胞への分化を促進し、胚中心内への維持を抑制することが明らかとなった。BLNKを欠損したIgE陽性B細胞は、このIgE型BCRシグナルが抑制されることで、胚中心内に維持され、選択を受けることで記憶B細胞や長期生存プラズマ細胞への分化能を獲得している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
IgE陽性B細胞の分化・活性化制御機構の詳細な分子メカニズムが明らかになりつつあるため。
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今後の研究の推進方策 |
下記の項目を推進し、IgE陽性B細胞の特性および維持・生存制御機構の解明を目指す。 1. IgE型BCRにおける細胞短命化誘導の責任領域の同定。 2. IgE型BCRシグナルの新たな特性の解明。
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