研究実績の概要 |
年度始めには、前年度から査読・改訂が続いていたタヒチ産化石ハマサンゴに対する実験結果を報告する論文がNature姉妹誌の Scientific Reports誌に受理され、公表の際には東京大学伊藤謝恩ホールにて記者会見を行うなど、貴重な経験となった。その後、研究成果は2015年2月12日付けで公表されたMartinez-Boti et al. (2015, Nature)をはじめとして、3つの国際学術論文に引用されるなど、早くも注目を浴びている。 本年度は、前年度に得た小笠原産ハマサンゴに対する実験結果に対する考察を深めた。さらに気象研究所海洋・地球化学研究グループとの共同研究を通じて、海水炭酸系に関する近年の観測記録とも併せて議論をより深めた。研究成果は主著論文1報としてまとめ、Nature姉妹誌のNature Climate Change誌に投稿した。ピアレビューの結果、受理には至らなかったものの、大変高評価のコメントをいただいた。別の島から得られた別のハマサンゴ群体に対して追加実験を行い、再投稿したいと考えている。また国内で行われた3つの学会(地球惑星科学連合大会・日本第四紀学会・大気海洋研究所-ハワイ大学ジョイントシンポジウム)において成果を発表した。次年度には地球惑星科学連合大会における招待講演を1件予定している。 本年度は博士課程の最終年ということで、学位論文執筆やプレゼン・手続き等で多くの時間を費やした。結果として新たな試料の分析や海外における学会発表を行うことが叶わなかった。しかしそのおかげで順調に学位審査が進み、2015年3月に無事博士の学位を取得することができた。 特別研究員DC1の採用期間は終了したが、今後も本研究課題とその発展に当たるプロジェクトを継続し、世界トップレベルの研究成果を追求していきたいと考えている。
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