研究課題/領域番号 |
12J08529
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研究種目 |
特別研究員奨励費
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 国内 |
研究分野 |
科学社会学・科学技術史
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
柴田 和宏 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特別研究員(DC2)
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研究期間 (年度) |
2012 – 2013
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研究課題ステータス |
完了 (2013年度)
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配分額 *注記 |
1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
2013年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2012年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
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キーワード | 科学史 / 西欧初期近代思想史 / ベイコン主義 / 生命観 / 物質理論 / 政治学 / 国際情報交換 / イギリス |
研究概要 |
本研究の目的は、フランシス・ベイコンの思想が17世紀のイングランドにおける自然哲学の変化にどのように寄与したのかを明らかにすることであった。交付申請書の記述に沿って、当該年度はまずベイコンと17世紀前半のイングランドにおける生命観と医学思想の分析を進めた。 報告者はベイコンの生命や医学をめぐる思想を、先行研究のなかであまり注目されてこなかった彼の思想の形成期の著作に着目しつつ分析した。さらに、それらの生物学・医学的思想が後の「ベイコン主義」と呼ばれる知的運動の原動力となった新科学についてのベイコンの考えとどんな関係にあったのかを検討した。以上の成果は「フランシス・ベイコンの初期手稿にみる生と死の概念」(下記「研究発表」のうち「図書」の『知のミクロコスモス』掲載論文)などとして発表された。 本年度もう一つ報告者が取り組んだのは、ベイコンにとって、また当時のイングランドにおいて、自然哲学と政治がどのような関係にあったのかという問題である。報告者は当初、主に自然哲学内部の理論的展開に焦点を絞って研究を行う構想を持っていた。しかしながら17世紀の自然哲学の変容やそれに対するベイコンの役割を適切に理解するためには、自然哲学と政治の関係という新たな視点を加える必要があることが次第に明らかになった。ベイコンをはじめ当時自然哲学に関与した人々のなかには、政治的経歴を持つ者が数多くいたからである。ベイコンにおける自然哲学と政治の関係を扱った研究はすでになされてきた。しかしながら両分野のあいだにどれほど強い関係が存在したのかという点で先行研究の意見は一致していない。報告者はこの意見の不一致という問題を解決するために、彼の初期の作品を分析し、そこに自然哲学と政治学を結びつけようとする構想と、その構想とはかなり異なった仕方でそれぞれ独立して書かれた両分野の具体的議論という両面が存在することを示した。
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今後の研究の推進方策 |
(抄録なし)
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